評価: マジック:ザ・ギャザリング | マーベル スパイダーマン

前回: 評価: ストリクスヘイヴン:魔法学院 | 巷で噂の塩セットは白を強化? | エターナルホワイトマジック/Eternal White Magic

概要

2025-09-05 Friに新セットのマーベル スパイダーマンの全収録カードが公開された。この間に、FFや久遠の終端が発売されているが、それらはレビューできていなかった。

タイミングを逃すと、する機会がないので、このタイミングでざっと眺めて、メモがわりでも記載する。

アメコミで世界的に知られる、スパイダーマンとのコラボセットとなっている。

効果

評価の前に、新しく登場したメカニズムを整理する (『マジック:ザ・ギャザリング | マーベル スパイダーマン』のメカニズム『マジック:ザ・ギャザリング | マーベル スパイダーマン』のメカニズム|読み物|マジック:ザ・ギャザリング 日本公式ウェブサイト)。

ウェブスリング

ウェブスリング {コスト} (あなたがコントロールしていてタップ状態であるクリーチャー1体をオーナーの手札に戻すなら、この呪文を {コスト} で唱えてもよい。)

セットないの白で多めに登場する能力。想起のような代替コストとなる。プレーンシフトなどに登場した昔でいう、開門クリーチャー、最近だと救出クリーチャーみたいな能力。忍術にも近い。ウェブスリングでキャストすると、生物の救出や、ETBの再利用ができる。が、元の呪文に瞬速がないと、除去の回避には使えないので注意が必要。

ETBの再利用でのアドバンテージ獲得、重めのカードの代替コストでの低ターンキャストなどが見どころの能力になるだろう。

大混乱

 大混乱 {コスト} (このターンにあなたがこのカードを捨てていたなら、墓地にあるこれを {コスト} で唱えてもよい。タイミングのルールは適用される。)

セットないで赤で多めに登場しそうな能力。マッドネスに近い、手札を捨てた時に発動する能力。ただ、マッドネスと異なり、元のカードのキャストタイミングに準じる。そのため、ソーサリーやクリーチャーは基本的には自分のターンに捨てた時しかキャストできない。

赤は手札を捨ててから引くタイプのカードがけっこうあり、アドバンテージを補填しながらのキャストが可能となる。

謀議

そのクリーチャーは謀議する。 (カード1枚を引き、その後、カード1枚を捨てる。あなたが土地でないカードを捨てたなら、そのクリーチャーの上に+1/+1カウンター1個を置く。)

ストリクスヘイブンで登場した、履修のような、ルーティングに土地以外なら+1/+1カウンターを配置する能力。素直に、0マナで+1/+1カウンターでの強化が行えるような呪文がおまけでつくような感じ。地味だが悪くない効果。

モードを持つ両面カード(変身可能)

モードを持つカードと、両面カードは以前から登場していた。今回、それらの組み合わせのカードが登場した。第2面をいきなりキャストも可能だが、第1面から条件を満たして変身することも可能となる。

改善

装備品やあなたがコントロールしているオーラがついているかカウンターが置かれているクリーチャーは改善されている。

新しく「改善」という状態がキーワード化された。装備中や、オーラが付いているなどをまとめたキーワードになった。改善は白に多い状態で、強化系能力が予想される。

評価

新メカニズムを理解したところで、早速注目カードを評価していく。白視点で、白のカードを中心に、レガシーやスタンダードなど総合的な視点で個人的に気になったカードを取り上げる。

    1. ピーター・パーカー: 2マナ0/1でETBで2/1到達の蜘蛛クリーチャートークン生成。2マナで2体生物を展開できる。ETBの再利用を考えるとトークンのサイズが大きい方がどちらかというとありがたいことが多い。風立ての高地や、強化で頭数を揃えたい場合悪くない。トークンのサイズとして2/1はそんなに悪くない。MH3のアジャニはサイズが強い。が、パイオニア以上だとだいたい2マナだと1/1/2体が相場なので悪くない。
    2. 恐ろしき癒し手、アンチヴェノム: 圧巻の白5マナ。ファイレクシアの立証者に近いカード。色拘束は強いが、キャスト時にリアニメイトで、ダメージで+1/+1カウンター。生命の息吹が4マナなことを考えると悪くない。白は墓地のカードを落とすのが苦手なので、サイクリングしながらリアニメイトするのが基本の動きだろう。色が多いのでニクソスと合わせて、信心系のカードと組み合わせられる。統率者向けのカードに感じる。破壊・追放・バウンスがない、赤緑相手なら、これ1体で完封できる可能性がある。プロテクション赤のないパイオニア以上で、赤緑の対策で悪くないかもしれない。特に緑。
    3. サイオニック・ウィーバー、アラクネ: 2W 3/3で相手のカードタイプ1種を指定したアメジストのとげ。ウェブストリングで1マナでキャストも可能。レガシーの白の置物としては1T目に出したいので、置物としてはややいまいち。課税もアメジストの下位互換。石鍛治やアジャニなどを再利用しながら横展開するなら悪くないかもしれない。置物より、ETBの再利用メイン、ピクシーの追加みたいな感じになるだろう。パイオニア以上だと1マナ3/3として、ピーターパーカーを回収しながらの、速攻ビートで悪くないかもしれない。
    4. メイおばさん: 自分だけの魂の管理人。だが、蜘蛛なら+1で強化。蜘蛛の数次第が、蜘蛛のロード的存在でこれは強いと思う。
    5. 街の鳩: W 1/1飛行。戦場を離れたら食物トークン。ETBで出してくれたら飛行で強かったのだが。死亡ではないので、ウェブスリングとの相性がいい。飛行だから悪くはない。白で飛行で1マナでトークンを出せるカードは貴重。
    6. コスチューム用クローゼット: 1Wで+1カウンター2個をばら撒ける。私が好きな光輝王の野心家に近い。+1カウンターはけっこう強くて、死亡で離れたら+1カウンターを1個回収できる。意外と馬鹿にならない。白でアーティファクトが必要なビート系デッキで悪くない。さっきの1T目、街の鳩、2T目これで鳩強化の動きもそんなに悪くないと感じる。明滅でこのアーティファクトを再利用してもいいし。内なる空の管理人のコストにも使える。
    7. スパイダー・ファン、フラッシュ・トンプソン: 1W 2/2。瞬速ETBで1体タップと1体アンタップ。この1体アンタップがコンボの匂いを感じる。白でアンタップ系のカードはあまりなかった気がする。
    8. 親愛なる隣人: 3W オーラ・土地。ETBで1/1 3体。1Tで生物の数だけ+1修正。何かからサーチしてきて次ターンキャストでいきなり+5/+5修正でゲームを決められるかもしれない。スタンダード向けだと思うが、オーラ・装備品のサーチ先として悪くないかもしれない。
    9. スパイダーマンの原点: 1Wで1章で2/1トークン。2章で+1カウンター。3章で二段攻撃。実質2マナで3/2到達を出せて、ビート寄りで悪くない。明滅や回収で再利用したい。世話人コントロールとかで、忠義の徳目がなかったらこちらになっていた。スタンダードとパイオニアでビートよりトークンにするなら必須になるだろう。ピクシーの流用先になるかも。
    10. 家賃を払え: Wで終了ステップに生物か宝物2個タップで1ドロー。1マナでエンド時1ドローは素直に強い。キャストは3ターン目からだろうが、1マナで軽いので悪くない。生物、宝物2個もピーター・パーカーとかで用意できる。白は宝物トークンはあまりなかった気がする。全体除去を考えると宝物トークンを用意したいところ。警戒持ちの多いデッキ、トークンを継続生成できるデッキでも手軽なアドソースになる。直前のワープも相性がいい。パイオニアだとスクレルブの巣とか。
    11. スペクタキュラー・スパイダーマン: 1W 3/2 瞬速。1で飛行、1で呪禁と破壊不能。素直にビートで強い。2マナ3/2飛行相当。瞬速で相手の除去に合わせて守ることもできる。パイオニアの+1カウンターで採用したい。瞬速で意表をつけるのが強い。
    12. 大いなる力には……: 3Wのオーラ。最下層民の上位に近い。チョーマノとのコンボがあったが、今回は恐ろしき癒し手、アンチヴェノムと不死コンボになる。赤緑系相手向け。あとは、統率者戦向けか。
  1. 多色
    1. 勇敢な市民: W/G W/G 1/1 ETBで1ドロー。色が多いので信心の確保で出番があるかもしれない。太陽冠のヘリオッドとかで。
    2. メリー・ジェーン・ワトソン: 1G/W 2/2 蜘蛛のETBで1ドロー。悪くない。
    3. スカイワード・スパイダー: W/U W/U 2/2護法2。改善で飛行。改善対象として除去体制があって悪くない。+1カウンター1個ついたら3/3飛行でゲームを決められる可能性がある。
    4. 驚嘆の救い手、スパイダーウーマン: 1W/U 2/2飛行。相手だけアーティファクト・生物タップイン。領事の権限に近いカード。生物なので除去される可能性あるが、赤単を止めるのに悪くない。赤単のサイドでいいかもしれない。白ウィニーの2マナで安定かも。
    5. 敏捷な糸使い、サン・スパイダー: 3W/U 3/2 自ターンのみ飛行。ETBでオーラ・装備品サーチ。悪くない。直近だとレター・モーグリがいた。適当な装備品を持ってきたらそのまま勝てる。統率者戦向けかな。相性次第でスタンダードもいけそうだけど。
  2. アーティファクト
    1. ベーグルとシュミィア: 1 W Tで+1カウンターとドロー。2 Tで3ゲインと1ドロー。1マナアーティファクトでアドバンテージを失わない良カード。アーティファクト並べたい系のデッキで悪くなさそう。久遠の終端でWで+1カウンター+キャントリップのソーサリーがあった。+1カウンターや、コスモグラントの頂点とか、白で呪文連打する系のデッキが組めそうなんだけど。考えるのにけっこうな時間が必要。
    2. ドク・オックの触手: 1 装備5 +4/+4修正。5マナ以上の生物で自動装備。直前のワープや想起で何かできそう。だけど、ぱっと思いつかない。
    3. 次元転移用ウェブウォッチ: 4マナ2ドロー相当。癖があって使いにくい。ワープとも相性がいいのだけど。
    4. スタークによる改良、アイアン・スパイダー: 3/2/3 警戒。Tでアーティファクトか機体+1カウンター。2で+1カウンター2個と交換で1ドロー。3マナ3/4相当で放置したら勝手に成長する。ドローもできる。単体でもなかなか強い。
    5. 機械仕掛けの驚異、リビング・ブレイン: 4/3/3 戦闘開始時にアーティファクトを3/3にしてアンタップ。MUDとかのアンタップ要員。
    6. ピーター・パーカーのカメラ: 1。2Tでフィルムカウンター除去で起動か誘発をコピー。3回使える。何か悪さできそうだがパッと思いつかない。統率者戦向けに感じる。
    7. ロケット推進ゴブリン・グライダー: 3マナ。装備2/大混乱2。装備で+2/+0 飛行、速攻。フィニッシャー量産カード。
  3. 土地
    1. デイリー・ビューグル社ビル: 1Tで伝説のクリーチャーに威迫。暗黒の深部のマリットレイジトークンのキルターンを1T早められる。
    2. マルチバースへの通り道: 任意の土地タイプのショックランド。新しいタイプ。ただ、普通のショックランドの方が強いだろう。
    3. オズコープ社: 大混乱を持つ土地。手札から捨てて、そのまま出せるのは悪くない。
    4. 都市の避難先: ウェブストリング2相当を持っている土地。序盤の動きとしてあまり強くないが、することがないときに、マナ加速できる。1T目に鳩かスレイベンの検査官。2T目にアタックでこれで、3T目に4マナと、無駄なくマナ加速できる。2T目にアイレンクラッグとかマナファクトを置く代わりにすることを考えたら悪くない。が、この動きが強いのは4枚目の土地が確実におけるとわかっている時だけ。それ以外は、アドバンテージ稼げるわけではないので、序盤の動きとしてはあまり強くない。除去か生物展開できるならしたい。

購入候補

買う可能性あるカードは以下だろう。

    • 恐ろしき癒し手、アンチヴェノム: スタンダードの赤・緑対策?
    • コスチューム用クローゼット: パイオニアの+1用?
    • スペクタキュラー・スパイダーマン: パイオニアの+1用?
  • 多色
    • 勇敢な市民: モダンのヘリオッドや統率者戦向け?
    • 驚嘆の救い手、スパイダーウーマン: スタンダード、パイオニアの赤単対策?
  • アーティファクト
    • ピーター・パーカーのカメラ: 統率者戦向け。
  • 土地
    • デイリー・ビューグル社ビル: ホワイト・デプス用。

結論

「マジック:ザ・ギャザリング | マーベル スパイダーマン」の評価だった。

スタンダードの白目線だと、ライフゲインやピクシー系デッキが強化されそうな感じがした。今後の白相手はスペクタキュラー・スパイダーマンのケアが必要になりそう。

パイオニアはあまりいまやる気なくて、スタンダードはデッキの調整・模索中。今回のセットのカードは調達しなくても問題はないような感じ。

後は、発売後にどういう研究がなされるのかの動向を見守りたい。

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