カード評価: 基本セット2021 | 強力天使や新PWが収録されたが,白のパワー不足を感じる基本セット

概要

2020-07-03 Fri発売の新しいカードセットの「基本セット2021」の全カードリストが2020-06-16 Thuに公開されたのでレビューする。なお,基本セット2021はプレインズウォーカー・デッキがあり,こちらにしか収録されていないカードもあるので注意する。

基本セット2021は毎年発売されるMTGの基本的なカードセットであり,入門用のイメージが強い。ただ,基本セット2020で《夏の帳/Veil of Summer》が禁止されたり,《原始のタイタン/Primeval Titan》のように基本セットが初出であるものの,大会で大きく活躍したカードもあるため,入門だからといって侮ってはいけない。

特に白のエターナル構築視点で興味を持った以下のカードをレビューする。

  1. 天使への昇天/Angelic Ascension
  2. 《悪斬の天使/Baneslayer Angel》
  3. バスリ・ケト/Basri, Devoted Paladin
  4. バスリの副官/Basri’s Lieutenant
  5. 《封じ込める僧侶/Containment Priest》
  6. 《栄光の頌歌/Glorious Anthem》
  7. 忍耐の偶像/Idol of Endurance
  8. 約束の光/Light of Promise
  9. 外交官、マンガラ/Mangara, the Diplomat
  10. 九つの命/Nine Lives
  11. 群れを導くもの/Pack Leader
  12. やんちゃな犬/Rambunctious Mutt
  13. 歴戦の神聖刃/Seasoned Hallowblade
  14. 《ヴリンの翼馬/Vryn Wingmare》
  15. 《精霊龍、ウギン/Ugin, the Spirit Dragon》
  16. 精神迷わせの秘本/Mazemind Tome
  17. 《パラジウムのマイア/Palladium Myr》
  18. 灯狩人のマスティコア/Sparkhunter Masticore
  19. トーモッドの墓所/Tormod’s Crypt
  20. 鳥獣保護区/Animal Sanctuary

少々数が多いのでさくっとレビューする。

評価

1. 天使への昇天/Angelic Ascension

Angelic Ascension {1}{W}
Instant
Exile target creature or planeswalker. Its controller creates a 4/4 white Angel creature token with flying.

白の2マナでクリーチャーかプレインズウォーカーを確実に処理できるカードだ。同じく2マナでプレインズウォーカーを処理できるカードは,過去に購入報告した《天界の粛清/Celestial Purge》か《予期せぬ不在/Unexpectedly Absent》の2枚しか存在していなかった。

そういう意味で気になった。ただ,代わりに生成される《セラの天使/Serra Angel》相当のクリーチャートークンはさすがに無視できない。

自軍クリーチャーにコンバットトリックとして使うという手もありだが,その場合追放というのが破壊不能やリアニメイトとの組み合わせができなく,使いにくい。

その点だと,《過大な贈り物/Generous Gift》のほうが使いやすい。

使い方としては,自軍のクリーチャートークンやコンバットトリックとして2マナ4/4飛行として運営するのがいいだろうか。

2. 《悪斬の天使/Baneslayer Angel》

Baneslayer Angel / 悪斬の天使 (3)(白)(白)
クリーチャー — 天使(Angel)
飛行、先制攻撃、絆魂、プロテクション(デーモン(Demon))、プロテクション(ドラゴン(Dragon))
5/5

MTG休止前の基本セット2010が初登場の強力な天使だ。登場当時はレガシーのZooへの採用実績がある。Zooのミラーマッチで《悪斬の天使/Baneslayer Angel》入りのZooが勝利するというほど,ビート同士での制圧力に定評のあるカードだ。

しかし,10年経って環境のカードパワーがインフレして,レガシーでは立場が少々厳しい。《王冠泥棒、オーコ/Oko, Thief of Crowns》やら《時を解す者、テフェリー/Teferi, Time Raveler》などがいるからだ。

同じ5マナなら出たときに一番の脅威を処理できる《賞罰の天使/Angel of Sanctions》のほうがまだいいのではないか?

スタンダードとパイオニアでの白の復権に一躍買いそうなカードだ。

3. バスリ・ケト/Basri, Devoted Paladin

Basri Ket {1}{W}{W}
Legendary Planeswalker — Basri
+1: Put a +1/+1 counter on up to one target creature. It gains indestructible until end of turn.
−2: Whenever one or more nontoken creatures attack this turn, create that many 1/1 white Soldier creature tokens that are tapped and attacking.
−6: You get an emblem with "At the beginning of combat on your turn, create a 1/1 white Soldier creature token, then put a +1/+1 counter on each creature you control."
Loyalty: 3

白の新しいプレインズウォーカーだ。1番目の能力で+1/+1カウンターを設置し,2番目の能力でクリーチャー,3番目の奥義で毎ターン2/2クリーチャーを生成する。

役割としては,《群れの統率者アジャニ/Ajani, Caller of the Pride》に近く感じた。《最後の望み、リリアナ/Liliana, the Last Hope》に近いのだが,単体でアドバンテージを獲得できない点及び,自身を守りきれないのが欠点だ。

2番目の能力も攻撃状態で出てくるため,自身の守りには使えない。《群れの統率者アジャニ/Ajani, Caller of the Pride》と異なり,3番目の能力までの時間が短いので,同じく収録されている《栄光の頌歌/Glorious Anthem》のような,《十字軍/Crusade》とみなし,動きの遅いコントロール相手には奥義で決めるというカードになるだろう。

どちらかというと,有利なときに強いカードでいろいろ惜しい。昨今のカードパワーのインフレを考えると,《遍歴の騎士、エルズペス/Elspeth, Knight-Errant》を3マナにして再録しても問題ないのではなかろうか?

4. バスリの副官/Basri’s Lieutenant

Basri's Lieutenant {3}{W}
Creature — Human Knight
Vigilance, protection from multicolored
When Basri's Lieutenant enters the battlefield, put a +1/+1 counter on target creature you control.
Whenever Basri's Lieutenant or another creature you control dies, if it had a +1/+1 counter on it, create a 2/2 white Knight creature token with vigilance.
3/4

4マナ4/5で除去耐性を持つということで,手堅いカードだ。直近だと,《光明の繁殖蛾/Luminous Broodmoth》に近い。

このカードの特徴は下の効果で,+1/+1カウンターの乗ったクリーチャーの死亡時に,2/2トークンを生成できる。

死亡クリーチャーの条件にトークンも含むのがポイントだ。《金属ミミック/Metallic Mimic》など,+1/+1カウンターを自動的に設置できるカードと組み合わせて,無限コンボを形成できる可能性がある。

今後の研究に期待したい。

5. 《封じ込める僧侶/Containment Priest》

Containment Priest / 封じ込める僧侶 (1)(白)
クリーチャー — 人間(Human) クレリック(Cleric)
瞬速
トークンでないクリーチャーが唱えられずに戦場に出るなら、代わりにそれを追放する。
2/2

今までエターナル構築でしか使えなかったが,今回の収録により全主要フォーマットで使えるようになった。ヴィンテージでも使われる白の優良妨害クリーチャーであり,流通が増えてお買い求めやすくなったのは素直に喜ぶべきことだろう。

6. 《栄光の頌歌/Glorious Anthem》

Glorious Anthem / 栄光の頌歌 (1)(白)(白)
エンチャント
あなたがコントロールするクリーチャーは+1/+1の修整を受ける。

偶然にも先日禁止された《十字軍/Crusade》の亜種だ。

ただ,昨今のカードパワーのインフレを考えると,パワー不足感が否めず,1/1トークンをおまけにつけてちょうどよい感じではないだろうか。

まだ,《清浄の名誉/Honor of the Pure》は2マナと軽くて,ぎりぎりスタンダードでも通用すると思うので,なぜこちらを収録したのか…

7. 忍耐の偶像/Idol of Endurance

Idol of Endurance {2}{W}
Artifact
When Idol of Endurance enters the battlefield, exile all creature cards with converted mana cost 3 or less from your graveyard until Idol of Endurance leaves the battlefield.
{1}{W}, {T}: Until end of turn, you may cast a creature spell from among the cards exiled with Idol of Endurance without paying its mana cost.

墓地から3マナ以下のクリーチャーをリアニメイトできるカードだ。

うまくやれば,アドバンテージを稼げるのだが,そもそも白には能動的に墓地にカードを落とすカードが乏しく,単体では素直にゲーム中盤以降消耗時に使うくらいしかない。

やや使いにくいか。

8. 約束の光/Light of Promise

Light of Promise {2}{W}
Enchantment — Aura
Enchant creature
Enchanted creature has "Whenever you gain life, put that many +1/+1 counters on this creature."

ライフゲイン時にその分の+1/+1カウンターを配置するオーラだ。クリーチャーを《アジャニの群れ仲間/Ajani’s Pridemate》化するカードだ。絆魂持ちクリーチャーにエンチャントすると,すぐに手が付けられないサイズになる。

《太陽冠のヘリオッド/Heliod, Sun-Crowned》のほうが使いやすいかもしれないが,オーラであることと+1/+1カウンターの設置が回復量のため,何らかのコンボの可能性を感じる。

9. 外交官、マンガラ/Mangara, the Diplomat

Mangara, the Diplomat {3}{W}
Legendary Creature — Human Cleric
Lifelink
Whenever an opponent attacks with creatures, if two or more of those creatures are attacking you and/or a planeswalker you control, draw a card.
Whenever an opponent casts their second spell each turn, draw a card.
2/4

《コロンドールのマンガラ/Mangara of Corondor》以来のマンガラのカード化だ。能力的に,《トレストの使者、レオヴォルド/Leovold, Emissary of Trest》を一瞬期待したのだが,それより条件がやや緩くて,残念だった。

いっそのこと,ドローより《法の定め/Rule of Law》のように,そもそも禁止してくれたほうが強かったのではないか。

神話レアのハズレになりそうな予感がする…

10. 九つの命/Nine Lives

Nine Lives {1}{W}{W}
Enchantment
Hexproof
If a source would deal damage to you, prevent that damage and put an incarnation counter on Nine Lives.
When there are nine or more incarnation counters on Nine Lives, exile it.
When Nine Lives leaves the battlefield, you lose the game.

イラストがライオン・キングを彷彿とさせる印象的なカードだ。肝心の能力は,《ファイレクシアの非生/Phyrexian Unlife》と似た延命カードだ。《ファイレクシアの非生/Phyrexian Unlife》同様,《厳粛/Solemnity》との不死コンボがぱっと思いつく。

《ファイレクシアの非生/Phyrexian Unlife》と異なり,ダメージしか防げず,しかも軽減されないダメージは防げない。《むかつき/Ad Nauseam》とも組み合わせられず,呪禁はあるが通常は使いにくい。

カスレアになりそう…

11. 群れを導くもの/Pack Leader

Pack Leader {1}{W}
Creature — Dog
Other Dogs you control get +1/+1.
Whenever Pack Leader attacks, prevent all combat damage that would be dealt this turn to Dogs you control.
2/2

白で数少ない2マナの部族ロードだ。2マナの白の部族ロードは数が少なく,過去には《皺だらけの主/Wizened Cenn》,《サリアの副官/Thalia’s Lieutenant》がいた。

下の能力が自分を含めるところが強く,戦闘では無類の強さを誇る可能性がある。

今回はマイナー部族の犬のロードだ。白の犬は数が少なく,《巡視犬/Patrol Hound》くらいしか思いつかない。と思ったが,《巡視犬/Patrol Hound》は猟犬か。

現状では有力なカードが少なく,まだデッキとして成立しない気がする。今後の新しい白の犬に期待したい。

12. やんちゃな犬

Rambunctious Mutt {3}{W}{W}
Creature — Dog
When Rambunctious Mutt enters the battlefield, destroy target artifact or enchantment an opponent controls.
3/4

ETBでアーティファクトを破壊できるカードだ。ETBでのアーティファクトの破壊クリーチャーは白では希少で,《デュルガーの垣魔道士/Duergar Hedge-Mage》,《賞罰の天使/Angel of Sanctions》くらいしか知らない。そこに新しいカードが加わった。

しかし,マナコストが少々重い。3マナくらいで登場してくれないか…

13. 歴戦の神聖刃/Seasoned Hallowblade

Seasoned Hallowblade {1}{W}
Creature — Human Warrior
Discard a card: Tap Seasoned Hallowblade. It gains indestructible until end of turn. (Damage and effects that say “destroy” don’t destroy it.)
3/1

《巡視犬/Patrol Hound》と同じく,共鳴者の一種だ。白の共鳴者は《巡視犬/Patrol Hound》,《不屈の部族/Tireless Tribe》くらいしか使われおらず,このカードは多くの場面で《巡視犬/Patrol Hound》より強いだろう。

《アダントの先兵/Adanto Vanguard》とよく似ている。いつでも利用可能な除去耐性はけっこう強い。今後のスタンダードの白ウィニーの基本クリーチャーになる可能性はある。白ウィニーの2マナ域の候補が追加された。

14. 《ヴリンの翼馬/Vryn Wingmare》

Vryn Wingmare / ヴリンの翼馬 (2)(白)
クリーチャー — ペガサス(Pegasus)
飛行
クリーチャーでない呪文を唱えるためのコストは(1)多くなる。
2/1

マジック・オリジンからの再録となる。レアリティがアンコモンに格下げになり,能力的に順当となった。

15. 《精霊龍、ウギン/Ugin, the Spirit Dragon》

Ugin, the Spirit Dragon / 精霊龍、ウギン (8)
伝説のプレインズウォーカー — ウギン(Ugin)
[+2]:クリーチャー1体かプレインズウォーカー1体かプレイヤー1人を対象とする。精霊龍、ウギンはそれに3点のダメージを与える。
[-X]:点数で見たマナ・コストがX以下の、1色以上の色を持つ各パーマネントをそれぞれ追放する。
[-10]:あなたは7点のライフを得て、カードを7枚引く。その後、あなたの手札にある最大7枚までのパーマネント・カードを戦場に出す。
7

運命再編からの再録となった。流通が少なく,値段が高騰していたので,ユーザーとしては値段が安定してよかった。エルドラージ・ポストやトロン系相手では,白ウィニーとしてはこのカードを出されるとほぼ負けになる嫌なカードだ。《謙虚/Humility》もまとめて吹き飛ばされるのが悪夢で若干トラウマになっている。

白系のビッグマナデッキは組んだことがないのだが,《厳かなモノリス/Grim Monolith》を4枚揃えたのもあるので,白としてもありかもしれない。

16. 精神迷わせの秘本/Mazemind Tome

Mazemind Tome {2}
Artifact
{T}, Put a page counter on Mazemind Tome: Scry 1.
{2}, {T}, Put a page counter on Mazemind Tome: Draw a card.
When there are four or more page counters on Mazemind Tome, exile it. If you do, you gain 4 life.

基本セットの常連だった秘本カードから新しい秘本が登場した。《ジェイムデー秘本/Jayemdae Tome》は重く,《ジェイラム秘本/Jalum Tome》はアドバンテージが取れなかった。

それらに比べるとこのカードは大幅に使いやすい。2マナと軽く,キャスト後に即座に占術1を行えるのは無駄がなくていい。4回しか能力を起動できないが,4点ゲインできるし,2-3枚カードを引ければ十分でしょう。

構築だと環境速度に応じては悠長すぎるかもしれない。

17. 《パラジウムのマイア/Palladium Myr》

Palladium Myr / パラジウムのマイア (3)
アーティファクト クリーチャー — マイア(Myr)
(T):(◇)(◇)を加える。
2/2

ミラディンの傷跡からの再録となる白で貴重なマナ加速カードだ。4ターン目に6マナ出せるのは悪くない。後半に引いても,最悪壁にもなる。

18. 灯狩人のマスティコア/Sparkhunter Masticore

Sparkhunter Masticore {3}
Artifact Creature — Masticore
As an additional cost to cast this spell, discard a card.
Protection from planeswalkers
{1}: Sparkhunter Masticore deals 1 damage to target planeswalker.
{3}: Sparkhunter Masticore gains indestructible until end of turn.
3/4

《小型マスティコア/Lesser Masticore》の亜種だ。手札の要求がキャスト時のみで,負担が小さくなった。プロテクション (プレインズウォーカー) を持ち,プレインズウォーカー限定のティム能力を持つ。

マナコストの都合,出してからダメージを飛ばせるまで1ターンはかかるため,先置きするのが基本的な使い方だろうか。

除去耐性は3マナで破壊不能のため,少々重くこちらを構えるのは難しい。プレインズウォーカー対策をするならば,素直に《真髄の針/Pithing Needle》が手堅いだろうか。

19. 《トーモッドの墓所/Tormod’s Crypt》

Tormod's Crypt / トーモッドの墓所 (0)
アーティファクト
(T),トーモッドの墓所を生け贄に捧げる:プレイヤー1人を対象とする。そのプレイヤーの墓地のカードをすべて追放する。

昔からの定番の墓地対策カードがスタンダードとパイオニアで使えるようになった。最近は,《魂標ランタン/Soul-Guide Lantern》がテーロス還魂記で登場したので,多くの場合そちらで事足りるか。

鳥獣保護区/Animal Sanctuary

Animal Sanctuary
Land
{T}: Add {C}.
{2}, {T}: Put a +1/+1 counter on target Bird, Cat, Dog, Goat, Ox, or Snake.

2マナタップで動物に+1/+1カウンターを設置できる。ただの土地に+1/+1カウンターの設置能力が付いているのはさすがに強い。

どれもマイナー部族なので,今後強力な該当部族が登場すると一気に値段が高騰するだろう。

結論

基本セット2021の白のカードをレビューした。今回は特に購入したいカードがなかった。

新しい白のプレインズウォーカーの登場や,《悪斬の天使/Baneslayer Angel》の再録は気になった。ただ,全体としては白はいまいちぱっとしない。「群れを導くもの」は今後の可能性を感じるが,当分スタンダードでも白ウィニーは冬の時代が続くでしょうな…

ドミナリアで《ベナリアの軍司令/Benalish Marshal》や《ベナリア史/History of Benalia》が活躍した反動だろうか。

基本セット2020のレビューと比較すると,再録カードが多く,気になるカードは多かった。ただ,それでもカードパワー不足を感じる。テーロス還魂記,イコリア:巨獣の棲処と白で強いカードが登場したため,しかたないか…。

なお,近日告知予定だが,カード評価は一旦これが最後となる。今後も白ウィニーにとって強力なカードが登場することを期待したい。

カード評価: 統率者2020 | 「白は統率者最弱」の噂通りのカードセット

概要

2020-04-17 Fri発売の新しい特殊カードセットの「統率者2020」の全カードリストが2020-04-07 Tueに公開されたのでレビューする。

統率者2020は特殊セットなため,再録カード以外は構築 (スタンダード,パイオニア,モダン) フォーマットでは使用できない。その代わり,エターナル構築 (レガシー,ヴィンテージ) で使用可能だ。

統率者向けのカードセットで全体的に癖の強いカードが多いのが特徴だ。

特に白のエターナル構築視点で興味を持った以下のカードをレビューする。

  1. 《地図作りの鷹/Cartographer’s Hawk》
  2. 《境界のレインジャー/Verge Rangers》
  3. 《生命力の狩人/Vitality Hunter》
  4. 《空中対応員/Aerial Responder》
  5. 《報奨密偵/Bounty Agent》
  6. 《敬虔な司祭/Devout Chaplain》
  7. 《いつまでも共に/Together Forever》
  8. 《謎めいた三葉虫/Cryptic Trilobite》
  9. 《聖域の刃/Sanctuary Blade》
  10. 《巣ごもりの地/Nesting Grounds》

少々数が多いのでさくっとレビューする。

評価

1. 《地図作りの鷹/Cartographer’s Hawk》

Cartographer's Hawk / 地図作りの鷹 (1)(白)
クリーチャー — 鳥(Bird)
飛行
地図作りの鷹が、土地をあなたよりも多くコントロールしているプレイヤー1人に戦闘ダメージを与えたとき、これをオーナーの手札に戻す。そうしたなら、あなたは「あなたのライブラリーから平地(Plains)カード1枚を探し、タップ状態で戦場に出し、その後あなたのライブラリーを切り直す。」を選んでもよい。
2/1

2/1飛行という白の2マナ域としては問題ない性能に,《土地税/Land Tax》から始まる白でときどき登場する条件付きの土地加速だ。手札に加えるのではなく,戦場に出すというのが強い。

後手2ターン目の速効性では《白蘭の騎士/Knight of the White Orchid》に軍配が上がるが,こちらは先手2ターン目に先置きしても問題ない点が強い。

白の土地加速はほぼ選択肢がないので,このカードは有力なカードだ。

しかし,エターナル構築では少々悠長すぎるような気がする。やはり,同じ基本性能で墓地対策ができる《悔恨する僧侶/Remorseful Cleric》のほうが有力だろう。

ミッドレンジや《モックス・ダイアモンド/Mox Diamond》あたりとの組み合わせに可能性があるだろうか?

2. 《境界のレインジャー/Verge Rangers》

Verge Rangers / 境界のレインジャー (2)(白)
クリーチャー — 人間(Human) スカウト(Scout)
先制攻撃
あなたはいつでもあなたのライブラリーの一番上のカードを見てよい。
対戦相手1人が土地をあなたよりも多くコントロールしているかぎり、あなたはあなたのライブラリーの一番上から土地をプレイしてもよい。(これにより土地をプレイするには、あなたは土地プレイを残している必要がある。)
3/3

《地図作りの鷹/Cartographer’s Hawk》に続いて,土地の枚数を参照するカードだ。

3/3先制攻撃という基本性能に加え,ライブラリートップの閲覧効果と,ライブラリートップからの土地プレイが可能になる。

追加の土地セットではないので,マナ加速にはならないのが惜しい。ただ,ライブラリートップの土地をセット可能ということで,ある意味手札が1枚増えた状態になる。

白でアドバンテージをとれるカードは貴重なため,追加マナなしで継続的にアドバンテージをとれる可能性のあるこのカードはなかなか面白い。

ただ,相手より土地を少ない状態を維持しないと肝心の土地セットができないため,いずれ土地セットはできなくなる。

面白いカードではあるのだが,少々冗長過ぎる。まだ,《イーオスのレインジャー長/Ranger-Captain of Eos》や《護衛募集員/Recruiter of the Guard》のほうが使いやすいか。どちらも《ドライアドの東屋/Dryad Arbor》をサーチできるので…

3. 《生命力の狩人/Vitality Hunter》

Vitality Hunter / 生命力の狩人 (3)(白)
クリーチャー — ナイトメア(Nightmare)
絆魂
(X)(白)(白):怪物化Xを行う。(このクリーチャーが怪物的でないなら、これの上に+1/+1カウンターをX個置く。これは怪物的になる。)
生命力の狩人が怪物的になったとき、クリーチャー最大X体を対象とし、それらの上に絆魂カウンターをそれぞれ1個置く。
3/4

4マナ3/4版魂で怪物化XWWを持つ。4マナ3/4絆魂だけだと,《太陽の恵みの執政官/Archon of Sun’s Grace》のほうが強い。ただ,怪物化があるので,最低でも5/6絆魂にはなれる。基本性能は悪くない。

ただ,4マナクリーチャーには,《難題の予見者/Thought-Knot Seer》や《刃砦の英雄/Hero of Bladehold》くらいの決定力がほしい。

やはり少々いまいちか。

4. 《空中対応員/Aerial Responder》

Aerial Responder / 空中対応員 (1)(白)(白)
クリーチャー — ドワーフ(Dwarf) 兵士(Soldier)
飛行、警戒、絆魂
2/3

カラデシュからの再録カードだ。《吸血鬼の夜鷲/Vampire Nighthawk》と似た性能のウィニークリーチャーとなっている。

どの能力も装備品などのサイズ強化能力と相性がいい。《セラの報復者/Serra Avenger》を昔愛用していたが,性能がどんどん近づいてきている。

MTG Wikiではクリーチャータイプに兵士があるので,レガシーの兵士デッキで採用されるケースもあるらしい。

ただ,3マナでたいした脅威にならないので,少々物足りないか。

5. 《報奨密偵/Bounty Agent》

Bounty Agent / 報奨密偵 (1)(白)
クリーチャー — 人間(Human) 兵士(Soldier)
警戒
(T),報奨密偵を生け贄に捧げる:アーティファクトかクリーチャーかエンチャントである伝説のパーマネント1つを対象とし、それを破壊する。
2/2

ラブニカのギルドからの再録カードだ。2/2警戒の基本性能に加え,タップ生贄で伝説のパーマネントを破壊できる。

第一印象で《キャパシェンの一角獣/Capashen Unicorn》を思い出した。白には《クァーサルの群れ魔道士/Qasali Pridemage》のような《解呪/Disenchant》持ちの生物がほぼいない。特にアーティファクトを処理できるクリーチャーが欠如している。

ぱっとみ白の《クァーサルの群れ魔道士/Qasali Pridemage》かと期待したのだが,伝説のパーマネントという条件がついており,少々落胆した。せめて英雄的,プレインズウォーカーを処理できるのであれば範囲が広くて可能性があったのだが…

追放なら,《自然の怒りのタイタン、ウーロ/Uro, Titan of Nature’s Wrath》を処理することもできたのだが…いろいろ惜しい。

範囲が狭く使いどころが難しいカードだ。

6. 《敬虔な司祭/Devout Chaplain》

Devout Chaplain / 敬虔な司祭 (2)(白)
クリーチャー — 人間(Human) クレリック(Cleric)
(T),あなたがコントロールするアンタップ状態の人間(Human)2体をタップする:アーティファクト1つかエンチャント1つを対象とし、それを追放する。
2/2

アヴァシンの帰還からの再録カードだ。

《報奨密偵/Bounty Agent》で白の《クァーサルの群れ魔道士/Qasali Pridemage》でなくてがっかりしていたところで,続いてこのカードに目が止まった。

前述した通り,白の《解呪/Disenchant》持ちクリーチャーは数が少なく,せいぜい《キャパシェンの一角獣/Capashen Unicorn》,《誠実な証人/Devout Witness》,《デュルガーの垣魔道士/Duergar Hedge-Mage》くらいしかない。そこに新たな1枚が加わった。

都合クリーチャー3体のタップでアーティファクトかエンチャントを追放できる。

頭数はクリーチャートークンでなんとかできるとしても,召喚酔いが少々きびしい。確実性の高い《誠実な証人/Devout Witness》のほうがましではないか。

ただ,人間・クレリックという部族から,ヴィンテージのエルドラージ・ホワイトで,《スレイベンの守護者、サリア/Thalia, Guardian of Thraben》,《封じ込める僧侶/Containment Priest》,《輝きの乗り手/Glowrider》あたりと組み合わせられる可能性がある。

エルドラージ・ホワイトでは《スレイベンの守護者、サリア/Thalia, Guardian of Thraben》,《輝きの乗り手/Glowrider》などで,非クリーチャー呪文へのマナコスト増加 (課税) が基本行動になるため,クリーチャーでのエンチャント・アーティファクト除去が望ましい。そして,モックスをはじめ対処したいアーティファクトが多いので,繰り返し使用可能な《解呪/Disenchant》は強い。

本体の召喚酔いさえどうにかできれば,可能性はあるように感じた。

7, 《いつまでも共に/Together Forever》

Together Forever / いつまでも共に (白)(白)
エンチャント
いつまでも共にが戦場に出たとき、支援2を行う。(他のクリーチャー最大2体を対象とし、それらの上に+1/+1カウンターをそれぞれ1個置く。)
(1):カウンターが置かれているクリーチャー1体を対象とする。このターン、そのクリーチャーが死亡したとき、そのカードをオーナーの手札に戻す。

バトルボンドからの再録カードだ。マイナーなカードセットからの再録で供給が増えて嬉しい。

ETBで支援2と死亡時に手札に戻すリアニメイト効果を持つ。

単体でも白白のパーマネントということで,信心を稼ぐのにうってつけのカードだ。

何かコンボの匂いのするカードだ。今は思いつかないが,今後何か新しいコンボが成立しそうな予感がする。

ただ,現状うまい活用方法が思いつかない。

8. 《謎めいた三葉虫/Cryptic Trilobite》

Cryptic Trilobite / 謎めいた三葉虫 (X)(X)
クリーチャー — 三葉虫(Trilobite)
謎めいた三葉虫は、+1/+1カウンターがX個置かれた状態で戦場に出る。
謎めいた三葉虫の上から+1/+1カウンターを1個取り除く:(◇)(◇)を加える。このマナは、能力を起動するためにのみ使用できる。
(1),(T):謎めいた三葉虫の上に+1/+1カウンターを1個置く。
0/0

《搭載歩行機械/Hangarback Walker》に似たカードで,+1/+1カウンターの除去で起動型能力専用の2マナを生成する。

自己を強化する能力があるので,序盤に出して貯めることもできる。意外なことに,アーティファクトではない無色クリーチャーだ。

これまた《いつまでも共に/Together Forever》と同じくコンボ臭漂うカードだ。今後の研究に期待したい。

9. 《聖域の刃/Sanctuary Blade》

Sanctuary Blade / 聖域の刃 (2)
アーティファクト — 装備品(Equipment)
聖域の刃がクリーチャーについた状態になるに際し、色を1色選ぶ。
装備しているクリーチャーは、+2/+0の修整を受け、プロテクション(その最後に選ばれた色)を持つ。
装備(3)

《骨断ちの矛槍/Bonesplitter》に任意の色のプロテクションを付与できる。

マナコストが少々重いが,任意の色のプロテクションは強力な効果だ。《火と氷の剣/Sword of Fire and Ice》のような剣サイクルと比べると,汎用性が上がった代わりに性能が落ちた。

ただ,カードパワーがコストに比べて物足りない。

10. 《巣ごもりの地/Nesting Grounds》

Nesting Grounds / 巣ごもりの地
土地
(T):(◇)を加える。
(1),(T):あなたがコントロールしているパーマネント1つと、他のパーマネント1つを対象とする。その前者の上からカウンター1個を、その後者の上に移動する。この能力は、あなたがソーサリーを唱えられるときにのみ起動できる。

パーマネント上のカウンターを移動させることができる。インスタントタイミングで起動できれば,《霊気の薬瓶/AEther Vial》と《虚空の杯/Chalice of the Void》でコンボを組めたかもしれない。

ダイス・ファクトリーをレガシーで組む場合に役に立つかもしれない。

結論

統率者2020で気になる白のカードをレビューした。

統率者2020という特殊セットの都合,くせの強いカードが多かった。白としては,そこまで強いカードがなくて,白が統率者最弱というのもある意味納得のカード揃えだった。

実際ほしいカードもせいぜい《敬虔な司祭/Devout Chaplain》くらいだった。

イコリア:巨獣の棲処と同じくサイクリングをフィーチャーしていて,《波動機/Fluctuator》の再録や,《見捨てられた石棺/Abandoned Sarcophagus》が登場したが,白としては強いサイクリングカードがないので,いまいちに感じた。

統率者はプレイしていないのだが,全体除去やトークンで戦うようなカードが多く,受け身的で勝ち切るのが難しそうに感じた。

黎明期の《天秤/Balance》,《ハルマゲドン/Armageddon》,《神の怒り/Wrath of God》,《解呪/Disenchant》のようなパワーカードを白で新しく作るのは難しいかしらね…

イコリア:巨獣の棲処で期待のカードが登場したので,そちらの可能性を探っていきたい。

カード評価: イコリア:巨獣の棲処 | キーワード・カウンターに相棒,新たな白の無限コンボの成立に期待の膨らむカードセット

概要

2020-04-17 Fri発売の新しいカードセット「イコリア:巨獣の棲処」の全カードリストが2020-04-10 Satに公開されたのでレビューする。

イコリア:巨獣の棲処のメカニズムとして,キーワード・カウンターと相棒が新しく登場した。どちらもゲームに大きな影響を与えるメカニズムだ。個人的にカードを眺めてとてもわくわくしたカードセットだった。

特に白のエターナル構築視点で興味を持った以下のカードをレビューする。

  1. 《ドラニスの判事/Drannith Magistrate》
  2. 《ラバブリンクの冒険者/Lavabrink Venturer》
  3. 《希望の光/Light of Hope》
  4. 《光明の繁殖蛾/Luminous Broodmoth》
  5. 《スナップダックスの神話/Mythos of Snapdax》
  6. 《雄々しい救出者/Valiant Rescuer》
  7. 《夢の巣のルールス/Lurrus of the Dream Den》
  8. 《黎明起こし、ザーダ/Zirda, the Dawnwaker》

評価

1. 《ドラニスの判事/Drannith Magistrate》

Drannith Magistrate {1}{W}
Creature — Human Wizard
Your opponents can't cast spells from anywhere other than their hands.
1/3

白の妨害能力持ちクリーチャーだ。手札以外からのキャストを封じ込める。範囲がかなり限定されており,かなりピンポイントな妨害能力だ。

墓地以外からのキャストでは,《神秘の炉/Mystic Forge》や《ボーラスの城塞/Bolas’s Citadel》のライブラリートップからのキャストが思いつく。

飛行で2/2くらいの基本性能ならメインからの採用も考えられるが,能力が少々限定的すぎて現時点では使いどころは難しく感じた。今後に期待したい。

2. 《ラバブリンクの冒険者/Lavabrink Venturer》

Lavabrink Venturer {2}{W}
Creature — Human Soldier
As Lavabrink Venturer enters the battlefield, choose odd or even. (Zero is even.)
Lavabrink Venturer has protection from each converted mana cost of the chosen value.
3/3

3マナ3/3で奇数か偶数のマナコストのプロテクションを持つクリーチャーだ。

3マナは,《ミラディンの十字軍/Mirran Crusader》,《静月の騎兵/Stillmoon Cavalier》,《秘教の十字軍/Mystic Crusader》などのプロテクション持ちクリーチャーがおり,そこに新たな仲間が加わった。

白のシングルシンボルでエルドラージ・ホワイトでも採用しやすく,3/3という基本サイズもありがたい。2/2先制攻撃よりかは3/3のほうが,打点が高く嬉しい場面が多い。

肝心のプロテクション能力も柔軟性が高く非常に使い勝手がいい。基本は《剣を鍬に/Swords to Plowshares》,《稲妻/Lightning Bolt》,《致命的な一押し/Fatal Push》を回避するために奇数を指定するだろう。この他に,《罰する火/Punishing Fire》などに偶数を指定することがある。地味に,プロテクションの範囲にパーマネントや呪文の指定がないのが強く,偶数を指定すると0マナのクリーチャートークンや土地も回避できる。土地単の《罰する火/Punishing Fire》と《イス卿の迷路/Maze of Ith》を両方回避できるのは心強い。

自分の装備品との相性もやや悪いが,白として優良なクリーチャーだと感じた。3マナ域の基本クリーチャーになる可能性がある。

3. 《希望の光/Light of Hope》

Light of Hope {W}
Instant
Choose one —
• You gain 4 life.
• Destroy target enchantment.
• Put a +1/+1 counter on target creature.

4点ゲイン,エンチャント破壊,+1/+1カウンターの配置を選べる1マナインスタントだ。

能力としては,《希望の魔除け/Hope Charm》や《篤信の魔除け/Piety Charm》に近い。これらの魔除けは破壊できるのがオーラと限定的だったが,《希望の光/Light of Hope》はエンチャントとなり対象が広がった。+1/+1カウンターの配置もコンバットトリックとして使いやすい。

全体として使い勝手の良いカードだと思った。2番目の効果が《解呪/Disenchant》だとさすがに強すぎだろうか。

構築ではエンチャント破壊と+1/+1カウンターに可能性を感じる。例えば,《太陽冠のヘリオッド/Heliod, Sun-Crowned》+《歩行バリスタ/Walking Ballista》のコンボで役に立つかもしれないと思った。

4. 《光明の繁殖蛾/Luminous Broodmoth》

Luminous Broodmoth {2}{W}{W}
Creature — Insect
Flying
Whenever a creature you control without flying dies, return it to the battlefield under its owner's control with a flying counter on it.
3/4

白のゴジラカード枠のモスラだ。4マナ3/4飛行で飛行を持たない自陣クリーチャーの死亡時に,飛行を付与して復活させる効果を持つ。

4マナとしては3/4飛行は標準的になってきている。ちょうど,《太陽の恵みの執政官/Archon of Sun’s Grace》と役割が似ている。単体性能だけだとあちらのほうが絆魂を持つ分強い。

このカードの真価は下のリアニメイト効果だろう。発表されてすぐに《厳粛/Solemnity》とのコンボが指摘されている。

白の無限頑強のパーツとしては4枚コンボになってしまうため,少々イマイチだ。そもそも白はサクリ台に乏しい色のため難しい。何か飛行カウンターをうまく取り除くカードと組み合わせて,ビートよりの構成にするのがいいだろうか。

今後の研究に期待したいカードだ。

5. 《スナップダックスの神話/Mythos of Snapdax》

Mythos of Snapdax {2}{W}{W}
Sorcery
Each player chooses an artifact, a creature, an enchantment, and a planeswalker from among the nonland permanents they control, then sacrifices the rest. If {B}{R} was spent to cast this spell, you choose the permanents for each player instead.

懐かしき《大変動/Cataclysm》の亜種だ。最近だと,《悲劇的な傲慢/Tragic Arrogance》や《激変の機械巨人/Cataclysmic Gearhulk》のほうが近いか。

マナ拘束が厳しいが,白白黒赤でキャストできれば《悲劇的な傲慢/Tragic Arrogance》になる。《大変動/Cataclysm》と異なり,土地を吹き飛ばせず,プレインズウォーカーも残ってしまうのが惜しい。が,残すカードをこちらが選べるのは悪くない。

もっとも,エターナル構築ではやはり土地を吹き飛ばせる《大変動/Cataclysm》に軍配が上がるだろう。

6. 《雄々しい救出者/Valiant Rescuer》

Valiant Rescuer {1}{W}
Creature — Human Soldier
Whenever you cycle another card for the first time each turn, create a 1/1 white Human Soldier creature token.
Cycling {2} ({2}, Discard this card: Draw a card.)
3/1

2マナ3/1のサイクリング2持ちクリーチャーで,1ターンに一度,サイクリング時に1/1兵士トークンを生成する。

《僧院の導師/Monastery Mentor》や《若き紅蓮術士/Young Pyromancer》を彷彿とさせる能力だ。しかし,1ターンに一度という余計な縛りがあるのが惜しい。

サイクリングはコントロールよりの効果であり,構築ではサイクリングで能力が誘発するカード (《霊体の地滑り/Astral Slide》や《稲妻の裂け目/Lightning Rift》など) と組み合わせて初めて生きてくる。

イコリア:巨獣の棲処ではサイクリングもメカニズムとしてフィーチャーされている。

はるか昔のウルザブロックで誕生した《波動機/Fluctuator》リアニメイトの復活を期待彷彿とさせるが,はたしてどうなるのか。

今回取り上げなかった《繁栄の狐/Flourishing Fox》 (サイクリング時に+1/+1カウンターの乗る1マナクリーチャー) との組み合わせも感じられたが,肝となるこのクリーチャーに制限があることが惜しい。

現状エターナル構築ではいまいちだと思うが,今後の可能性に期待したい。

7. 《夢の巣のルールス/Lurrus of the Dream Den》

Lurrus of the Dream-Den {1}{W/B}{W/B}
Legendary Creature — Cat Nightmare
Companion — Each permanent card in your starting deck has converted mana cost 2 or less. (If this card is your chosen companion, you may cast it once from outside the game.)
Lifelink
During each of your turns, you may cast one permanent spell with converted mana cost 2 or less from your graveyard.
3/2

イコリア:巨獣の棲処で新しく登場した相棒を持つクリーチャーだ。基本性能は3マナ3/2絆魂で,各ターンに一度墓地から2マナ以下のパーマネント呪文をキャストできる。

相棒を使う場合,デッキ内のパーマネントが2マナ以下となる。

まず,相棒という能力が強い。条件を満たせば,統率者のようにいつでも一度だけキャストできる。つまり,初期手札が常に1枚増えている状態となる。コンボとしては,必要なカードが1枚減るので非常に強力だ。

そして,このカードは相棒なしでも十分に強い。相棒は使えないが,ペプルスやアイアンワークス,サルベイジャーコンボあたりと相性が良いように感じた。

1ターンに一度しか使えないので,即死コンボは難しい。しかし,例えば《ウルザのガラクタ/Urza’s Bauble》や《歩行バリスタ/Walking Ballista》あたりを再利用して継続的にアドバンテージを取ることができる。

あるいは,何か明滅させたり,《夢の巣のルールス/Lurrus of the Dream Den》を生け贄に捧げてリアニメイトするなどすれば,1ターンに一度の条件を突破できるのだろうか。もし可能ならば,新たな無限コンボの可能性を感じる。

相棒よりかは元の再利用能力が強力に感じた。

8. 《黎明起こし、ザーダ/Zirda, the Dawnwaker》

Zirda, the Dawnwaker {1}{R/W}{R/W}
Legendary Creature — Elemental Fox
Companion — Each permanent card in your starting deck has an activated ability. (If this card is your chosen companion, you may cast it once from outside the game.)
Abilities you activate that aren't mana abilities cost {2} less to activate. This effect can't reduce the mana in that cost to less than one mana.
{1}, {T}: Target creature can't block this turn.
3/3

イコリア:巨獣の棲処で一番注目しているカードだ。

3マナ3/3で起動型能力のマナコストを2減少させ,1マナタップでクリーチャー1体をブロックできなくする。これに加えて,デッキ内のパーマネントに起動型能力持ちを条件とした相棒を持っている。

《訓練場/Training Grounds》を内蔵しているカードだ。起動型能力のコストを増加させるカードには《抑制の場/Suppression Field》があったが,減少させるカードとしては白では初となる。

《ハートストーン/Heartstone》はクリーチャー限定で1マナしか減少させず,少々使いにくかった。しかし,このカードは「マナ能力以外」が条件のため,汎用性が高い。基本的には起動型能力のコスト減少が主用途になるだろう。

発表時から指摘されている,《厳かなモノリス/Grim Monolith》や《玄武岩のモノリス/Basalt Monolith》と2枚で無限マナコンボを形成する。極めつけなのは,《黎明起こし、ザーダ/Zirda, the Dawnwaker》が相棒を持っていることだ。

つまり,相棒の条件を満たせば《厳かなモノリス/Grim Monolith》か《玄武岩のモノリス/Basalt Monolith》の1枚を引けば無限マナコンボを達成できる。これは条件がかなり緩く,狙えば3-4ターン目にほぼ確実にコンボを成立できる。

白のコンボでここまで達成が容易なものはない。ただし,相棒を使う場合,《虚空の杯/Chalice of the Void》,《難題の予見者/Thought-Knot Seer》が使えない欠点がある。そのため,《黎明起こし、ザーダ/Zirda, the Dawnwaker》の防御方法を考える必要がある。

この点に関しては,《イーオスのレインジャー長/Ranger-Captain of Eos》が適任に感じている。除去や打ち消し持ちの相手に対しては,《イーオスのレインジャー長/Ranger-Captain of Eos》から入り,コンボ始動直前に能力で相手の干渉を禁止できる。

3マナで少々重いのだが,単体でもフィニッシャーの《歩行バリスタ/Walking Ballista》をサーチできることと,基本性能も悪くなく,一度着地すればいつでも《沈黙/Silence》を打てるところが強い。

その他,除去に関しては昔ながらの《ルーンの母/Mother of Runes》,《心優しきボディガード/Benevolent Bodyguard》,《命の恵みのアルセイド/Alseid of Life’s Bounty》あたりを使う手もある。

ヒロシさんの見解では,リベリオンには100 %ないとのことだったが,レベル以外であれば十分可能性があるように感じた。

そもそも無限マナコンボが決まるならば,レベルクリーチャーよりも《歩行バリスタ/Walking Ballista》や《大いなる創造者、カーン/Karn, the Great Creator》,《引き裂かれし永劫、エムラクール/Emrakul, the Aeons Torn》で決めたほうがてっとりばよいだろう。

モノリス無限マナコンボの他に,既存のバリヘルコンボやサルベイジャーコンボとも相性がよい。

肝心の《厳かなモノリス/Grim Monolith》と《玄武岩のモノリス/Basalt Monolith》はエターナル構築 (レガシー,ヴィンテージ) と統率者でしか使えないため,世間の注目度はいまいちかもしれない。しかし,白使いとしては《太陽冠のヘリオッド/Heliod, Sun-Crowned》に続く,新たな無限コンボの成立であり,非常に期待している。

コンボパーツの《厳かなモノリス/Grim Monolith》は再録禁止であり,一時2万円まで高騰したことがある。現在は8000円程度と相場最安であり,今後急騰する可能性を感じたので,少々出費だが残り3枚を急遽購入した。

結論

テーロス還魂記の《太陽冠のヘリオッド/Heliod, Sun-Crowned》による《歩行バリスタ/Walking Ballista》との無限コンボに続いて,《黎明起こし、ザーダ/Zirda, the Dawnwaker》と《玄武岩のモノリス/Basalt Monolith》か《厳かなモノリス/Grim Monolith》による無限コンボが成立した,白として非常に期待できるカードセットだった。

無限マナコンボについ目が奪われがちだが,《ラバブリンクの冒険者/Lavabrink Venturer》と《夢の巣のルールス/Lurrus of the Dream Den》も十分に強い。何より,相棒やキーワード・カウンターのメカニズムが魅力的でわくわくするカードセットだった。

以下のカードは購入予定だ。

  • 2-3枚: 《ラバブリンクの冒険者/Lavabrink Venturer》
  • 1枚以上: 《黎明起こし、ザーダ/Zirda, the Dawnwaker》
  • 1枚以上: 《夢の巣のルールス/Lurrus of the Dream Den》

《黎明起こし、ザーダ/Zirda, the Dawnwaker》には非常に期待している。あまりにも期待しているので,一番値上がりの可能性が高い《厳かなモノリス/Grim Monolith》を3枚追加で購入したくらいだ。

発売後には是非《黎明起こし、ザーダ/Zirda, the Dawnwaker》を使った無限マナコンボを組んでみたい。相棒となる《イーオスのレインジャー長/Ranger-Captain of Eos》や《玄武岩のモノリス/Basalt Monolith》の収集も進めたい。

白は統率者で最弱と噂されるほどであり,実際エターナル構築ではいまいちだった。しかし,ここにきてテーロス還魂記の《太陽冠のヘリオッド/Heliod, Sun-Crowned》に続いて,《黎明起こし、ザーダ/Zirda, the Dawnwaker》により白の無限コンボが2個も成立するようになった。

白復活の兆しが見えてきたように感じる。イコリア:巨獣の棲処発売後のメタゲームに注視したい

カード評価: テーロス還魂記 | 新しい白の瞬殺2枚コンボが成立する期待のカードセット

概要

2020-01-24 Fri発売の新しいカードセット「テーロス還魂記」の全カードリストが2020-01-11 Satに公開された。

自分がMTG休止中に発売されたテーロスと同じ次元が舞台のカードセットであり,エンチャントにフォーカスが当たったカードセットだ。

2019年はエターナル環境に多大な影響を与えたカードセットが続々発売された一方,白使いとしてはたいした新戦力を獲得できず,冬の時代の1年だったように感じた。

しかし,今回のテーロス還魂記には久々となる白の瞬殺2枚コンボを成立させるカードが収録され,2020年に期待を持てる始まりとなった。

特に白のエターナル環境で注目している以下のカードをレビューする。

  1. 太陽の恵みの執政官/Archon of Sun’s Grace
  2. メレティス誕生/The Birth of Meletis
  3. 障害の幻霊/Eidolon of Obstruction
  4. エルズペス、死に打ち勝つ/Elspeth Conquers Death
  5. 太陽の宿敵、エルズペス/Elspeth, Sun’s Nemesis
  6. 太陽冠のヘリオッド/Heliod, Sun-Crowned
  7. ヘリオッドの介入/Heliod’s Intervention
  8. 牧歌的な教示者/Idyllic Tutor
  9. 卓絶した特使/Transcendent Envoy

評価

太陽の恵みの執政官/Archon of Sun’s Grace

Archon of Sun's Grace {2}{W}{W}
Creature — Archon
Flying, lifelink
Pegasus creatures you control have lifelink.
Constellation — Whenever an enchantment enters the battlefield under your control, create a 2/2 white Pegasus creature token with flying.
3/4

単純に4マナ3/4飛行絆魂は強い。《折れた刃、ギセラ/Gisela, the Broken Blade》のタフネスが4ならばと思うことがあったが,とうとう登場した。

タフネス4でデルバー・青赤の《昆虫の逸脱者/Insectile Aberration》と主要火力である《稲妻/Lightning Bolt》に耐えられ,絆魂でライフで優位に立てる。

星座能力もエンチャントのプレイで2/2飛行トークンを生成と強力だ。もっとも,エターナル環境ではエンチャントはなかなか採用されないため,こちらは少々工夫が必要となる。

《静寂の守り手、リンヴァーラ/Linvala, Keeper of Silence》や《修復の天使/Restoration Angel》などと共に,今後の白の中堅クリーチャーの選択肢の1枚となる優良クリーチャーだ。

メレティス誕生/The Birth of Meletis

The Birth of Meletis {1}{W}
Enchantment — Saga
(As this Saga enters and after your draw step, add a lore counter. Sacrifice after III.)
I — Search your library for a basic Plains card, reveal it, put it into your hand, then shuffle your library.
II — Create a 0/4 colorless Wall artifact creature token with defender.
III — You gain 2 life.

今回のカードの中で2番目に注目しているカードだ。プレイで基本土地サーチ,0/4壁生成,2点のライフゲインと地味な能力ではある。キャントリップ持ちの《前兆の壁/Wall of Omens》と性質がよく似たカードだ。

プレインズウォーカーのキャストのためのマナ確保と,それまでの時間稼ぎとして役に立ちそうだ。

こちらは英雄碑であり能動的にキャストしていけること,自分から墓地に落ちてくれるところがポイントとなる。モダンホライゾンで《ヘリオッドの高潔の聖堂/Hall of Heliod’s Generosity》が登場したが,肝心の自分から能動的に墓地に落ちるエンチャントがあまりないため,そこまで使われていない。

デッキ内エンチャントのかさ増しとして基本の1枚になりえるカードに感じた。

この後に評価する太陽冠のヘリオッドとも相性のいいカードだ。3番目の2点ゲインでヘリオッドの能力が誘発して,最低限生成した壁を強化できるのもポイントが高い。

障害の幻霊/Eidolon of Obstruction

Eidolon of Obstruction {1}{W}
Enchantment Creature — Spirit
First strike
Loyalty abilities of planeswalkers your opponents control cost {1} more to activate.
Death turned admirable conviction into pointless intransigence.

2/1先制攻撃でプレインズウォーカーの忠誠度能力に追加の1マナを要求するエンチャント・クリーチャーだ。

待望のプレインズウォーカー対策クリーチャーではあるが,たった1マナの課税で少々能力が弱く感じる。これなら能力を禁止できる《ファイレクシアの破棄者/Phyrexian Revoker》のほうが強く感じる。

いっそのことお互いの忠誠度能力の禁止でよかったのでは感じる。今後の白のPW対策カードに期待したい。

エルズペス、死に打ち勝つ/Elspeth Conquers Death

Elspeth Conquers Death {3}{W}{W}
Enchantment — Saga
I - Exile target permanent an opponent controls with converted mana cost 3 or greater.
II - Noncreature spells your opponents cast cost {2} more to cast until your next turn.
III - Return target creature or planeswalker card from your graveyard to the battlefield. Put a +1/+1 counter or a loyalty counter on it.

アドバンテージのとれる英雄碑だ。1番目の能力で戦場の脅威を除去し,3番目の能力でクリーチャーかPWをリアニメイトする。

2番目の2マナの課税能力はこのカードをキャストするゲーム中盤〜終盤ではあまり意味がないように感じる。

《悟りの教示者/Enlightened Tutor》でのサーチ対象にはなりえるが,5マナと少々重く,扱いがやや難しく感じた。

太陽の宿敵、エルズペス/Elspeth, Sun’s Nemesis

Elspeth, Sun's Nemesis {2}{W}{W}
Legendary Planeswalker — Elspeth
−1: Up to two target creatures you control each get +2/+1 until end of turn.
−2: Create two 1/1 white Human Soldier creature tokens.
−3: You gain 5 life.
Escape—{4}{W}{W}, Exile four other cards from your graveyard. (You may cast this card from your graveyard for its escape cost.)
Loyalty: 5

テーロス還魂記の主人公的存在の新しいエルズペスだ。おそらく初の脱出持ちのPWだ。脱出前提ということで忠誠度能力は全てマイナスとなっている。

クリーチャー強化,トークン生成,ライフゲインとどれも地味な能力となっている。トークン生成では,《ゼンディカーの同盟者、ギデオン/Gideon, Ally of Zendikar》や《慈悲深きセラ/Serra the Benevolent》が基準となるため,少々弱く感じる。

脱出で再利用できるものの,肝心のベース能力が1/1トークン2体の生成がメインであり,エターナル環境では少々厳しく感じる。

太陽冠のヘリオッド/Heliod, Sun-Crowned

Heliod, Sun-Crowned {2}{W}
Legendary Enchantment Creature — God
Indestructible
As long as your devotion to white is less than five, Heliod isn’t a creature.
Whenever you gain life, put a +1/+1 counter on target creature or enchantment you control.
{1}{W}: Another target creature gains lifelink until end of turn.
5/5 

今回のカードセットで1番の注目カードだ。

白への信心が5以上でクリーチャーとなる5/5破壊不能のエンチャント・クリーチャーだ。ライフゲイン時に+1/+1カウンターをクリーチャーに設置でき,1Wで絆魂を付与できる。クリーチャー化できなくても,自身の能力だけである程度完結している。

単体でもソウルシスターズと相性のいいカードではあるが,これだけだとそこまで注目していなかった。《歩行バリスタ/Walking Ballista》との2枚瞬殺コンボ (バリヘルコンボ) を形成でき,カードの評価が一気に上がるカードだ。

《歩行バリスタ/Walking Ballista》をX=2でキャストし,絆魂を付与してから,能力でダメージを与えると,太陽冠のヘリオッドの効果でライフゲイン時に+1/+1カウンターを設置でき,無限ダメージ無限ライフを実現する。

実用的な瞬殺コンボの条件としては以下の3の条件が重要になる。

  1. コンボ成立マナ
  2. コンボ成立枚数
  3. 単体のカードパワー

バリヘルコンボは一度に決めようとなると9マナかかる。が,分割して支払ったり,何らかの方法で《歩行バリスタ/Walking Ballista》のサイズを上げることができれば,コンボ成立時には絆魂を付与する1Wマナで済む。

2枚コンボであり,どちらのカードも《悟りの教示者/Enlightened Tutor》でサーチでき,《歩行バリスタ/Walking Ballista》に至っては《護衛募集員/Recruiter of the Guard》,《大いなる創造者、カーン/Karn, the Great Creator》でもサーチ可能である。

単体のカードパワーとしては,《歩行バリスタ/Walking Ballista》は単体でも十分使われるカードだ。太陽冠のヘリオッド自体はそこまでだが,破壊不能の能力で先置きの安心感があり,能力がある程度自己で完結しており,ビート系デッキに採用できるカードだ。

以上のように,バリヘルコンボはこれらの3条件を満たしており,実用的なコンボだ。テーロス還魂記の発売直後にパイオニアがメインのマジック・フェストが開催されることもあり,《歩行バリスタ/Walking Ballista》と太陽冠のヘリオッドの高騰が予想される。

パイオニアでは正直今後どちらかが禁止される可能性が高いので,発売後値段が落ち着いた段階で購入を検討したい。

ヘリオッドの介入/Heliod’s Intervention

Heliod's Intervention {X}{W}{W}
Instant
Choose one —
• Destroy X target artifacts and/or enchantments.
• Target player gains twice X life.

XWWの《解呪/Disenchant》にライフゲインのモードを選べるようになったものだ。X=1で使う場合,《解呪/Disenchant》の下位互換になってしまうが,X=2以上でキャストできれば,《塵への帰結/Return to Dust》相当以上であり,悪くない。

エンチャント・アーティファクトの大量破壊では,《静寂/Serenity》のほうが軽い。自分の置物を巻き込みたくないストンピィ系,コントロールデッキのサイドボードとして可能性がある。

牧歌的な教示者/Idyllic Tutor

Idyllic Tutor / 牧歌的な教示者 (2)(白)
ソーサリー

あなたのライブラリーからエンチャント・カードを1枚探し、それを公開し、あなたの手札に加える。その後あなたのライブラリーを切り直す。

モーニングタイドからの待望の再録となる。何の需要だったのか不明だが,地味に値段が1枚1500円程度と高騰していたため,再録で供給が増えて値下がりしてよかった。

ただ序盤にサーチしたいならば,《悟りの教示者/Enlightened Tutor》のほうが軽い。《悟りの教示者/Enlightened Tutor》の追加として,《オパール色の輝き/Opalescence》系デッキで採用されるだろうか。

今後強力なエンチャントが登場すると価値が高まる可能性のあるカードではある。

卓絶した特使/Transcendent Envoy

Transcendent Envoy {1}{W}
Enchantment Creature — Griffin
Flying
Aura spells you cast cost {1} less to cast.

1W 1/2飛行でオーラのキャストを1減少させる。オーラ絡みのコンボの可能性を感じるカードではある。

ただし,無色のオーラは《エルドラージの徴兵/Eldrazi Conscription》しかなく,ストーム的な使い方が難しい。

そもそも,オーラはアドバンテージやテンポを失う可能性が高く,扱いが難しいメカニズムだ。

結論

久しぶりの白の瞬殺2枚コンボを成立させる「太陽冠のヘリオッド/Heliod, Sun-Crowned」が登場し,その他にも「太陽の恵みの執政官/Archon of Sun’s Grace」や「メレティス誕生/The Birth of Meletis」など白が強化されるカードセットだった。

以下のカードは購入予定だ。

  • 3枚: 太陽冠のヘリオッド/Heliod, Sun-Crowned
  • 4枚: メレティス誕生/The Birth of Meletis

複数の勝利パターンを用意して,対策しにくくすることが最近のコンボデッキの流行であり,勝利へのポイントとなっている。

その点,バリヘルコンボは単体でそれなりのカードパワー同士の2枚コンボであり,通常のビートデッキに採用しやすいので,可能性を感じる。

正直,《王冠泥棒、オーコ/Oko, Thief of Crowns》が環境を支配して,盤面を構築するのが面倒くさくなってきている。バリヘルコンボのように,ペインターやヘルムピースのような瞬殺2枚コンボデッキを使ったほうがいいような気がしてきている。

新セットの発売と発売後のメタゲーム環境の変動に注目したい。

#mtgjp カード評価 エルドレインの王権 | 物語調で単色重視のカードセット

概要

2019-10-03 Fri発売の新しいカードセット「エルドレインの王権」の全カードリストが2019-09-21 Satに公開された。

童話をモチーフにしたカードセットとなっており,カード全体が物語調でいかにもファンタジーの世界な内容となっている。

白のレガシープレイヤーとして,気になった以下のカードをレビューする。

    • 静寂をもたらすもの/Hushbringer
    • 立派な騎士/Worthy Knight
    • 調和のアルコン/Harmonious Archon
    • ガラスの棺/Glass Casket
  • アーティファクト
    • ジンジャーブルート/Gingerbrute
    • 石とぐろの海蛇/Stonecoil Serpent
    • 跳ね橋/Crashing Drawbridge
  • 再録カード
    • 《魔術遠眼鏡/Sorcerous Spyglass》

IME辞書はまだ公開されていないが,タイミングがちょうどいいのでこのタイミングでカード評価を行う。

なお,カード検索には「Scryfall Magic: The Gathering Search」を使う。こちらのほうが,最新カードへの対応も早く,Whisperではなぜかヒットしないカードもちゃんとヒットするので,カードの調査にはお薦めだ。ただし,エルドレインの王権の日本語データはまだ反映されていない。

静寂をもたらすもの/Hushbringer

Hushbringer {1}{W}
Creature — Faerie
Flying, lifelink
Creatures entering the battlefield or dying don't cause abilities to trigger.
1/2

エルドレインの王権での個人的に一番の注目カードだ。

プレイ時の誘発効果と死亡時の誘発効果を禁止するカードだ。

《倦怠の宝珠/Torpor Orb》を内蔵したクリーチャーといえる。同じ用途では,過去に以下の2種類のカードが登場している。

  • 《トカートリの儀仗兵/Tocatli Honor Guard》
  • 《静翼のグリフ/Hushwing Gryff》

これらと違い,タフネスが2あり,飛行で戦力になるというところが大きな違いだ。《護衛募集員/Recruiter of the Guard》でサーチ可能なのもポイントが高い。

これでパワーが2あれば文句なしだったのだが…

統率者2019で《運命の巻物/Scroll of Fate》も登場しており,白でドレッドノートを組むのもありなのかもしれない。

立派な騎士/Worthy Knight

Worthy Knight {1}{W}
Creature — Human Knight
Whenever you cast a Knight spell, create a 1/1 white Human creature token.
2/2

騎士呪文をキャストすると,1/1の白の人間トークンを生成する。《僧院の導師/Monastery Mentor》や《若き紅蓮術士/Young Pyromancer》に近いカードだ。

エルドレインの王権の白は騎士カードを推しのようだ。

騎士カードでは,《模範の騎士/Knight Exemplar》,《刃砦の英雄/Hero of Bladehold》など,強いカードもあるにはある。しかし,出てくるトークンが騎士ではなく,ロードの恩恵を受けられないことと,1マナでアドバンテージを失わない騎士はそうないことから,なかなか活用が難しいのではないかと思っている。

結局,単体である程度仕事できるか,《僧院の導師/Monastery Mentor》や《若き紅蓮術士/Young Pyromancer》のように,アドバンテージを失わずに,1-2マナで効果を連打できないとこの手のカードは難しいのではないかと感じる。

なお,《模範の騎士/Knight Exemplar》は早速200円から800円に値上がりしているようだ。

調和のアルコン/Harmonious Archon

Harmonious Archon {4}{W}{W}
Creature — Archon
Flying
Non-Archon creatures have base power and toughness 3/3.
When Harmonious Archon enters the battlefield, create two 1/1 white Human creature tokens.
4/5

《畏敬の神格/Godhead of Awe》に似ているが,こちらは基本のパワー/タフネスが3/3であり,プレイ時に1/1トークンを2体生成する。実質的に1枚で4/5飛行と3/3トークンを2体展開でき,さすがに強い。

ただし,同じことをしようとすると,《刃砦の英雄/Hero of Bladehold》や《先駆のゴーレム/Precursor Golem》のほうが軽くてお手軽だ。

トークンデッキの強化兼フィニッシャーとして悪くはないと感じた。

ガラスの棺/Glass Casket

Glass Casket {1}{W}
Artifact
When Glass Casket enters the battlefield, exile target creature an opponent controls with converted mana cost 3 or less until Glass Casket leaves the battlefield.

3マナ以下のクリーチャーへの一時除去であり,《未達への旅/Journey to Nowhere》の下位互換で,《絹の網/Silk Net》のアーティファクト版だ。ただし,このカードはアーティファクトであることに意味がある。《大いなる創造者、カーン/Karn, the Great Creator》からサーチ可能だからだ。

《大いなる創造者、カーン/Karn, the Great Creator》を展開しても,盤面のクリーチャーに即座に対応するのは難しい。可能なのはせいぜい《仕組まれた爆薬/Engineered Explosives》くらいだろう。単色だと,《仕組まれた爆薬/Engineered Explosives》は使いにくい。

その点,このカードは即座に3マナ以下のクリーチャーに対応できて悪くない。サイドボードに1枚取るのもありと思った。

アーティファクト

ジンジャーブルート/Gingerbrute

Gingerbrute {1}
Artifact Creature — Food Golem
Haste
{1}: Gingerbrute can't be blocked this turn except by creatures with haste.
{2}, {T}, Sacrifice Gingerbrute: You gain 3 life.
1/1

《怒り狂うゴブリン/Raging Goblin》の上位互換だろう。しかも,1個目の能力でブロックされない。これはなかなか強い。速攻持ちのクリーチャーはそう多くない。

装備品などで,継続的にダメージを通すとアドバンテージを稼げるカードと相性がいい。

跳ね橋/Crashing Drawbridge

Crashing Drawbridge {2}
Artifact Creature — Wall
Defender
{T}: Creatures you control gain haste until end of turn.
0/4

0/4の壁だが,タップで速攻を付与できる。役割としては,《稲妻のすね当て/Lightning Greaves》に近いだろう。《稲妻のすね当て/Lightning Greaves》のように,被覆を付与できないが,こちらはその代わりに壁としてライフを守ることができる。

単純に悪くないカードだと思った。

石とぐろの海蛇/Stonecoil Serpent

Stonecoil Serpent {X}
Artifact Creature — Snake
Reach, trample, protection from multicolored
Stonecoil Serpent enters the battlefield with X +1/+1 counters on it.
0/0

Xマナのアーティファクトとして,マナレシオ的に単純に強い。このカードのおかげで,多くの熊が下位互換になる。

トランプルを持っているのが特に強い。《鋼の監視者/Steel Overseer》や増殖と相性がいい。

土地

アーデンベイル城/Castle Ardenvale

Castle Ardenvale
Land
Castle Ardenvale enters the battlefield tapped unless you control a Plains.
{T}: Add {W}.
{2}{W}{W}, {T}: Create a 1/1 white Human creature token.

4マナタップで1/1トークンを生成できる。トークン生成カードとしては,標準的だが,ただの土地についている能力としては強い。《Kjeldoran Outpost》は序盤に引くと困るが,このカードは序盤でも問題ない。

トークン系デッキで悪くないだろう。

再録カード

《魔術遠眼鏡/Sorcerous Spyglass》

Sorcerous Spyglass / 魔術遠眼鏡 (2)
アーティファクト

魔術遠眼鏡が戦場に出るに際し、対戦相手1人の手札を見て、その後任意のカード名1つを選ぶ。 その選ばれた名前を持つ発生源の起動型能力は、それがマナ能力でないかぎり起動できない。

既にトーナメントでも活躍している《魔術遠眼鏡/Sorcerous Spyglass》が再録された。

《魔術遠眼鏡/Sorcerous Spyglass》は十分強いカードで,単純に再録されて供給が安定するのがありがたい。値段も100-200円くらいになるのでこの機会に残り3枚を集めようと思う。

《真髄の針/Pithing Needle》は空振る可能性が高いが,《魔術遠眼鏡/Sorcerous Spyglass》は相手の手札を見れて序盤のアクションとして悪くない。

汎用性の高いカードなので,まだ持っていない人はこの機会に4枚集めていいだろう。

結論

直近のカードセットが強力すぎたのもあり,白としてはやや地味な印象を持った。

「出来事」という新しいメカニズムが登場したのだが,白としてはやや使いにくいカードが多かった。

以下のカードは購入予定だ。

  • 3枚: 《魔術遠眼鏡/Sorcerous Spyglass》
  • 1枚: 静寂をもたらすもの/Hushbringer
  • 1枚: ガラスの棺/Glass Casket

レガシー環境としては,爆弾カードは出ていないと思うので,良くも悪くも現在のメタゲームが継続するだろう。環境が安定して,対策を練る時間ができたので,日和勢としては悪くはない。

動向を見守りながら,直近の課題である《レンと六番/Wrenn and Six》の対策を考えていく。

個人的には,過去に公式サイトで紹介されていたヘイトベアーがありではないかと思い,《密輸人の回転翼機/Smuggler’s Copter》を集めようと考えている。

《レンと六番/Wrenn and Six》がいる以上,2マナランドに頼ったデッキ構成はリスクが大きく感じる。グリコンのメタゲームから一周して,昔ながらの白ウィニーに戻るときがきたのかもしれない。

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#mtgjp カード評価 統率者2019 | 癖のあるカードが多く他のカードとの組み合わせに期待

概要

2019-08-23発売の新しいカードセット「統率者2019」の全カードリストが2019-08-09に公開された。そして,辞書データも2019-08-11に公開された。

統率者2019は再録カードが多い。新規カードはカード個別評価:統率者2019 – MTG Wikiで確認できる59種類だ。

灯争大戦,モダンホライゾン,基本セット2020とレガシー環境に影響を与えるカードセットが連続して発売された。一方,統率者2019は統率者での使用を念頭においたカードセットであり,癖のあるカードが多い。

この中で気になった以下のカードをレビューする。

  • クリーチャー
    • 《悲運な職工/Doomed Artisan》
  • ソーサリー
    • 《セヴィンの再利用/Sevinne’s Reclamation》
  • アーティファクト
    • 《運命の巻物/Scroll of Fate》
  • 再録カード
    • 《賞罰の天使/Angel of Sanctions》

クリーチャー

《悲運な職工/Doomed Artisan》

Doomed Artisan / 悲運な職工 (2)(白)
クリーチャー — 人間(Human) 工匠(Artificer)
あなたがコントロールしている彫像(Sculpture)では攻撃もブロックもできない。
あなたの終了ステップの開始時に、「このクリーチャーのパワーとタフネスは、それぞれあなたがコントロールしている彫像の総数に等しい。」を持つ無色の彫像アーティファクト・クリーチャー・トークンを1体生成する。
1/1

毎ターンデメリット無しのトークン生成カードは貴重であり,評価できるポイントだ。問題はそのままでは,攻撃にもブロックにも使えない点だ。

《ちらつき鬼火/Flickerwisp》のように,本体を明滅させたり,《煙突/Smokestack》と組み合わせて,維持コストに当てるなど,デッキ構築時点での工夫が必要となる。

《刃の接合者/Blade Splicer》と性能が似ており,こちらのほうが癖がなく使いやすいか。

ストンピィ系デッキで,アーティファクトやクリーチャーを維持コストに要求するパワーカードが登場すれば,チャンスがあるだろう。

ソーサリー

《セヴィンの再利用/Sevinne’s Reclamation》

Sevinne's Reclamation / セヴィンの再利用 (2)(白)
ソーサリー
あなたの墓地から点数で見たマナ・コストが3以下のパーマネント・カード1枚を対象とし、それを戦場に戻す。この呪文が墓地から唱えられたなら、あなたはこの呪文をコピーしてもよく、そのコピーの新しい対象を選んでもよい。
フラッシュバック(4)(白)(あなたはあなたの墓地から、このカードをこれのフラッシュバック・コストで唱えてもよい。その後、これを追放する。)

基本セット2020で登場した《帰寂からの帰還/Brought Back》に続いた,墓地からのリアニメイトカードだ。能力的には,《太陽のタイタン/Sun Titan》のETB能力が呪文になったとみれる。

フェッチランドをリアニメイトすることでマナ加速にも使える。白で緑のような土地サーチ・マナ加速は貴重だ。フラッシュバックが付いているので,中長期的に確実なアドバンテージをとれる。しかし,マナコスト的にやや悠長に感じる。

爆発力がほしいならば,《第二の日の出/Second Sunrise》のほうが有利だろう。ただし,墓地利用はサイド後すぐに対策される。その割に,このカードは爆発力に欠けるのでいまいちに感じる。

中長期戦を念頭に置く,白系のコントロールデッキでチャンスがありそうだ。

アーティファクト

《運命の巻物/Scroll of Fate》

Scroll of Fate / 運命の巻物 (3)
アーティファクト
(T):あなたの手札からカード1枚を予示する。(そのカードを裏向きの状態で2/2クリーチャーとして戦場に出す。それがクリーチャー・カードであるなら、そのマナ・コストで、いつでも表向きにしてよい。)

かつて,マスク・ドレッドで使われた《Illusionary Mask》と似たカードだ。

手札のカードを変異として出せるため,ETBのデメリット持ちとのコンボとして使える。その他,マナコストの重いクリーチャーを擬似的に速攻として出すこともできる。

出した直後から能力を起動でき,2枚目以降の自分などの手札の無駄なカードを2/2として処理できる。もちろん,後続のクリーチャーへの打ち消し耐性にもなる。

《刃砦の英雄/Hero of Bladehold》あたりを予示できれば強そうだ。

ただし,《石鍛冶の神秘家/Stoneforge Mystic》や《難題の予見者/Thought-Knot Seer》のように,ETBの強力なカードもけっこうあるので,扱いには工夫が必要だろう。

再録カード

《賞罰の天使/Angel of Sanctions》

Angel of Sanctions / 賞罰の天使 (3)(白)(白)
クリーチャー — 天使(Angel)
飛行
賞罰の天使が戦場に出たとき、対戦相手がコントロールする土地でないパーマネント1つを対象とする。あなたはそれを賞罰の天使が戦場を離れるまで追放してもよい。
不朽(5)(白)((5)(白),あなたの墓地からこのカードを追放する:マナ・コストと不朽を持たない白のゾンビ(Zombie)・天使(Angel)であることを除き、これのコピーであるトークンを1体生成する。不朽はソーサリーとしてのみ行う。)
3/4

《払拭の光/Banishing Light》,《忘却の輪/Oblivion Ring》を内蔵した天使だ。

自身も3/4飛行と申し分ないスペックを持っており,しかも不朽まで持っている。基本セット2020で《暁の騎兵/Cavalier of Dawn》というよく似たカードが登場している。が,個人的には《賞罰の天使/Angel of Sanctions》のほうが強いだろうと思っている。

5マナと重いことがネックで,トーナメントではあまり使われていないようだ。ストンピィ系デッキや,現在使っている白エルドラージに,お守りとして2枚ほど忍ばせたいなとずっと考えている。

結論

灯争大戦,モダンホライゾン,基本セット2020と強烈なカードセットが連続しており,特殊セットなのもあり,全体としてやや地味な印象を持った。

癖のあるカードが多く,活用には頭をひねるカードが多かった。今後の組み合わせを期待したい。

来月の10月には新セットのエルドラインの王権が発売される。なんだかんだで1-2か月のサイクルで新しいカードセットが登場していてめまぐるしい。

新カードの様子を伺いながら,自分のデッキの強化を検討したい。

#mtgjp カード評価 基本セット2020 | 入門者・上級者の両方を念頭に置いた安定したロンドン・マリガン開始のカードセット

概要

2019-07-12 Fri発売の新しいカードセット「基本セット2020」の全カードリストが2019-06-26 Wedに公開された。そして,辞書データも2019-06-28 Friに公開された。

基本セットはMTG初心者を念頭においたカードセットだが,レアと神話レアにはエターナル環境を意識したカードも収録されており,なかなか面白いカードセットだ。

その中でも,特に気になった以下のカードをレビューする。

  • クリーチャー
    • 《暁の騎兵/Cavalier of Dawn》
    • 《絞首された処刑人/Hanged Executioner》
  • アーティファクト
    • 《祖先の象徴/Icon of Ancestry》
    • 《多用途の鍵/Manifold Key》
    • 《報復のワンド/Retributive Wand》
  • 再録カード
    • 《神聖の力線/Leyline of Sanctity》
    • 《墓掘りの檻/Grafdigger's Cage》
    • 《鋼の監視者/Steel Overseer》

なお,灯争大戦以降,毎月カードセットがリリースされており,8月にも統率者2020が発売されてめまぐるしい。リリース頻度が早いので,以前のように3か月に一度くらいのほうが安定していていい。

クリーチャー

《暁の騎兵/Cavalier of Dawn》

カードの効果は「5マナ4/6警戒で,ETBで非土地パーマネントを破壊してコントローラーに3/3トークンを生成。PIGでアーティファクトかエンチャントを手札に回収。」だ。

モダンホライゾンで登場した《過大な贈り物/Generous Gift》を内蔵している。

似たようなカードに過去に《賞罰の天使/Angel of Sanctions》が存在していた。こちらはETBで《忘却の輪/Oblivion Ring》が発動し,飛行持ちだ。《忘却の輪/Oblivion Ring》のような放逐能力は,除去されると復活されるリスクがある。

その点,《暁の騎兵/Cavalier of Dawn》は破壊なので,そのリスクがない。また,それどころか死亡時にアドバンテージを稼げる能力まで付いてきている。性質が若干違うが,だいたい上位互換とみてもよいだろう。

5マナのカードとして悪くない性能だ。

《絞首された処刑人/Hanged Executioner》

カードの効果は「3マナ1/1飛行で,ETBで1/1飛行トークンを生成。4マナ生贄でクリーチャーを除外。」だ。

白で能動的にクリーチャーを除去できるクリーチャーはそんなに数が多くない。このカードはトークンが出るので,アドバンテージのとれるカードだ,《急報/Raise the Alarm》や《幽体の行列/Spectral Procession》,《未練ある魂/Lingering Souls》のようなトークン生成カードのようにみなしてよいだろう。これらのトークン生成カードに除去がおまけで付いたように捉えることができる。

キャストに3マナ,能力の起動に4マナと悠長な感じがするが,先置きできるのは利点だろう。しかし,除去が目的ならば,《放逐する僧侶/Banisher Priest》や《宮殿の看守/Palace Jailer》のほうが即効性はある。

そのため,トークン系デッキや装備品系デッキのお供にするのが良いだろう。

アーティファクト

《祖先の象徴/Icon of Ancestry》

カードの効果は「キャスト3マナ,選択したクリーチャーに《十字軍/Crusade》,3マナタップで《民兵のラッパ手/Militia Bugler》のETB効果」だ。

《十字軍/Crusade》や《栄光の頌歌/Glorious Anthem》にドロー効果が付いたようなカードだ。《ヘリオッドの槍/Spear of Heliod》と構成が似ている。《ヘリオッドの槍/Spear of Heliod》のタップ効果は防御能力だったが,《祖先の象徴/Icon of Ancestry》はドローなので,こちらのほうが汎用性が高いだろう。

息切れ防止やマナフラッド受けにもなるので,部族デッキで重宝される気がする。

《多用途の鍵/Manifold Key》

カードの効果は「キャスト1マナ,1マナタップで他のアーティファクトをアンタップ,3マナタップでクリーチャーがブロックされない」だ。

《通電式キー/Voltaic Key》の上位互換が登場した。《通電式キー/Voltaic Key》自体がアーティファクト系デッキで重宝されたので,《通電式キー/Voltaic Key》とそのまま入れ替えになるだろう。

レガシーでは,《厳かなモノリス/Grim Monolith》との組み合わせが強く,《鋼の監視者/Steel Overseer》との組み合わせも強い。

《報復のワンド/Retributive Wand》

カードの効果は「キャスト3マナ,3マナタップで任意の対象に1点のダメージ。PIGで5点ダメージ。」だ。

《破滅のロッド/Rod of Ruin》や《花崗岩の破片/Granite Shard》の系統のカードだ。継続的なダメージソースアーティファクトとしては,《呪われた巻物/Cursed Scroll》が有名だ。ただし,《呪われた巻物/Cursed Scroll》は手札の調整が必要なため,中盤以降の活用がメインとなる。

《報復のワンド/Retributive Wand》は序盤でも確実に1点飛ばすことができ,万が一破壊されても5点も飛ばせるため,悪くない。

再録カード

《神聖の力線/Leyline of Sanctity》

基本セット2020では,基本セット2011から9年ぶりに力線サイクルが再録となった。

基本セット2020発売と同時に,ロンドン・マリガンが導入されるため,力線が相対的に強くなる。特に,《神聖の力線/Leyline of Sanctity》と《虚空の力線/Leyline of the Void》は高額レアになっていたので,ここで再録されて供給が増えるのはありがたい。

《墓掘りの檻/Grafdigger's Cage》

1マナの恒久的な墓地対策カードの《墓掘りの檻/Grafdigger's Cage》が再録となった。

このカードも値段がじわじわと上がってきていたので,再録により供給が増えるのはありがたい。

《鋼の監視者/Steel Overseer》

スティール・ストンピィやモダンだと鱗親和で採用されているカードが再録となった。

同じく収録されている《多用途の鍵/Manifold Key》のいい相棒になるだろう。

結論

基本セット2020はMTG入門者向けのカードセットであるため,モダンホライゾンのように特定環境を意識したカードセットと比べると,興味を持つカードが少なかった。

しかし,エターナル環境に影響を与えるカードや,過去の高額レアなどが再録されており,全体的に安定して落ち着いたカードセットだと感じた。

以下のカードは特に購入したいと思ったので,値段を注視したい。

  • 4枚: 《多用途の鍵/Manifold Key》

基本セット2020の登場と同時に,いよいよロンドン・マリガンも導入される。環境がどう変わるのか注視していく。

#mtgjp カード評価 モダンホライゾン | 歴代のメカニズムが再録され全体的なカードパワーが高い!

概要

2019-06-14 Fri発売の新しいカードセット「モダンホライゾン」の全カードリストが2019-06-01 Satに公開された。そして,辞書データも2019-06-06 Thuに公開された。

モダンホライゾンはMTG初のモダン向けのカードセットとなる。過去に登場した懐かしのサイクル,機能が再登場しており,単純に強くて面白いカードが盛り沢山となっている。面白い試みだ。

その中でも,特に気になった以下のカードをレビューする。

  • インスタント
    • 《過大な贈り物/Generous Gift》
    • 《儚い存在/Ephemerate》
  • クリーチャー
    • 《夕暮れヒバリ/Vesperlark》
    • 《小型マスティコア/Lesser Masticore》
  • 土地
    • 《ヘリオッドの高潔の聖堂/Hall of Heliod's Generosity》
    • 《虹色の眺望/Prismatic Vista》
    • キャノピーランド: 《無声開拓地/Silent Clearing》,《灼陽大峡谷/Sunbaked Canyon》
    • 氷雪ランド: 《冠雪の平地/Snow-Covered Plains》

クリーチャー

《夕暮れヒバリ/Vesperlark》

Vesperlark / 夕暮れヒバリ (2)(白)
クリーチャー — エレメンタル(Elemental)

飛行
夕暮れヒバリが戦場を離れたとき、あなたの墓地からパワーが1以下のクリーチャー・カード1枚を対象とし、それを戦場に戻す。
想起(1)(白)(あなたはこの呪文を、これの想起コストで唱えてもよい。そうしたなら、これが戦場に出たとき、これを生け贄に捧げる。)
2/1

時のらせんブロックで一世を風靡したヒバリ・ブリンク の《目覚ましヒバリ/Reveillark》が小さくなって帰ってきた。

アイアンワークスのような墓地を使った無限コンボデッキでなにか使えそうな印象を持った。

《小型マスティコア/Lesser Masticore》

Lesser Masticore / 小型マスティコア (2)
アーティファクト クリーチャー — マスティコア(Masticore)

この呪文を唱えるための追加コストとして、カード1枚を捨てる。
(4):クリーチャー1体を対象とする。小型マスティコアはそれに1点のダメージを与える。
頑強(このクリーチャーが死亡したとき、これの上に-1/-1カウンターが置かれていなかった場合、これを-1/-1カウンターが1個置かれた状態でオーナーのコントロール下で戦場に戻す。)
2/2

2マナでアーティファクトの唯一の頑強持ちクリーチャーだ。無限頑強のお供として最適のカードだろう。このカードのおかげで,無限頑強のパーツが《悟りの教示者/Enlightened Tutor》で全てサーチ可能になった。

また,モダンホライゾンには《狂気の祭壇/Altar of Dementia》も再録されており,無限頑強を使ってくれといわんばかりだ。

無限頑強+アイアンワークスのハイブリッドコンボとしての可能性も出てきた。

1ターン目に2マナランドから《小型マスティコア/Lesser Masticore》,2ターン目に《アシュノッドの供犠台/Ashnod's Altar》で《小型マスティコア/Lesser Masticore》を2回生贄に捧げて4マナ出せれば,コンボを決めることも可能だろう。

3枚コンボだが,2ターンキルでき,さらに《マイアの回収者/Myr Retriever》や《屑鉄さらい/Scrap Trawler》のような墓地回収カードもあるので,面白いデッキになりそうだ。

インスタント

《儚い存在/Ephemerate》

Ephemerate / 儚い存在 (白)
インスタント

あなたがコントロールしているクリーチャー1体を対象とし、それを追放する。その後それをオーナーのコントロール下で戦場に出す。
反復(この呪文があなたの手札から唱えられたなら、これの解決に際し、これを追放する。次のあなたのアップキープの開始時に、あなたは追放領域からこのカードをこれのマナ・コストを支払うことなく唱えてもよい。)

時のらせんブロックで一世を風靡したヒバリ・ブリンクのキーカードである《一瞬の瞬き/Momentary Blink》が帰ってきた。《一瞬の瞬き/Momentary Blink》はフラッシュバックコストに青マナを要求しており,マナコストも4マナと重く,コントロール向きだった。

《儚い存在/Ephemerate》はたった1マナで,2回も明滅できる。ETB能力持ちにうまく使えば,1マナで2ドロー相当の働きができる。相手の除去やブロックになどに合わせることで,3枚分の働きにもなる。

《過大な贈り物/Generous Gift》

Generous Gift / 過大な贈り物 (2)(白)
インスタント

パーマネント1つを対象とし、それを破壊する。それのコントローラーは緑の3/3の象(Elephant)クリーチャー・トークンを1体生成する。

白い《内にいる獣/Beast Within》だ。パーマネントを破壊できるカードは強い。前回の記事でも書いたが,2019-07-05 Friにロンドン・マリガンが導入され,ますます1枚1枚のカードが重要になってくる。

そのため,このカードも相対的に強くなってくる。土地以外であれば,《忘却の輪/Oblivion Ring》や《議会の採決/Council's Judgment》があるので,主に土地を破壊できる点が評価項目だろう。

ヘイトベアーでパーマネント対応兼土地破壊が強いだろうか。

土地

《ヘリオッドの高潔の聖堂/Hall of Heliod's Generosity》

Hall of Heliod's Generosity / ヘリオッドの高潔の聖堂
伝説の土地

(T):(◇)を加える。
(1)(白),(T):あなたの墓地からエンチャント・カード1枚を対象とし、それをあなたのライブラリーの一番上に置く。

《アカデミーの廃墟/Academy Ruins》のエンチャント版だ。《謙虚/Humility》はゲームを決めるカードだが,打ち消されたり破壊されたりして,墓地から回収できればと思う場面が何回かあった。

《忘却の輪/Oblivion Ring》,《静寂/Serenity》,《浄化の印章/Seal of Cleansing》,《斑岩の節/Porphyry Nodes》を使いまわしても強い。

6マナで《独房監禁/Solitary Confinement》を毎ターン使い回すのもありだろう。

これくらいしか強力な使い方が思いつかないが,十分強いと思う。

《虹色の眺望/Prismatic Vista》

Prismatic Vista / 虹色の眺望
土地

(T),1点のライフを支払う,虹色の眺望を生け贄に捧げる:あなたのライブラリーから基本土地カード1枚を探して戦場に出し、その後あなたのライブラリーを切り直す。

2018-09に復帰したときに,まさしくこのカードが出ていないかを期待していたのだが,ようやく登場した。
《溢れかえる岸辺/Flooded Strand》も1600円くらいだった値段が,2000円くらいになってしまった。

500円くらいで手軽な値段を希望する。

キャノピーランド: 《無声開拓地/Silent Clearing》,《灼陽大峡谷/Sunbaked Canyon》

Silent Clearing / 無声開拓地
土地

(T),1点のライフを支払う:あなたのマナ・プールに(白)か(黒)を加える。
(1),(T),無声開拓地を生け贄に捧げる:カードを1枚引く。

Sunbaked Canyon / 灼陽大峡谷
土地

(T),1点のライフを支払う:あなたのマナ・プールに(赤)か(白)を加える。
(1),(T),灼陽大峡谷を生け贄に捧げる:カードを1枚引く。

《地平線の梢/Horizon Canopy》は6000円もする超高額カードだった。

値段が安定することを期待したい。

氷雪ランド: 《冠雪の平地/Snow-Covered Plains》

氷雪ランドは供給量が圧倒的に少ないので,モダンホライゾンで再録されて供給が安定するのがありがたい。

お供の《占術の岩床/Scrying Sheets》が1000円くらいから3000円に値上がりしているのが気になる。

結論

モダンホライゾンは,環境に影響を与えそうなカードが多数収録されており,とても面白いカードセットだ。

個人的には《小型マスティコア/Lesser Masticore》と《ヘリオッドの高潔の聖堂/Hall of Heliod's Generosity》の登場が最も印象的だった。

以下のカードは特に購入したいと思ったので,値段を注視したい。

  • 4枚: 《小型マスティコア/Lesser Masticore》
  • 1枚: 《ヘリオッドの高潔の聖堂/Hall of Heliod's Generosity》
  • 1枚: 《無声開拓地/Silent Clearing》か《灼陽大峡谷/Sunbaked Canyon》

特に,《小型マスティコア/Lesser Masticore》の登場で,レガシー版アイアンワークスに興味を持った。

来月には基本セット2020も登場し,ロンドン・マリガンも導入される。レガシー環境がどう変わるのか注視していく。

#mtgjp カード評価 灯争大戦 | アーティファクトの「願い」が登場し,レガシーへの影響も大?

2019-05-03 Fri発売の新しいカードセット「灯争大戦」の全カードリスト2019-04-20 Satに公開された。そして,辞書データも2019-04-21 Sunに公開された。

そこで,以下の気になるカードをレビューする。

  • 土地

    • 《爆発域/Blast Zone》
    • 《出現領域/Emergence Zone》
  • プレインズウォーカー

    • 《大いなる創造者、カーン/Karn, the Great Creator》
    • 《太陽の義士、ファートリ/Huatli, the Sun's Heart》
    • 《黒き剣のギデオン/Gideon Blackblade》
    • 《奉謝の亡霊/Grateful Apparition》
    • 《高名な弁護士、トミク/Tomik, Distinguished Advokist》
    • 《栄光の終焉/Finale of Glory》
    • 《ギデオンの勝利/Gideon's Triumph》

土地

《探検の地図/Expedition Map》によりかさ増し可能なため,土地は常に注意すべきカードだ。

《爆発域/Blast Zone》

その中でも,《爆発域/Blast Zone》は非常に強力なカードだ。

Blast Zone / 爆発域
土地

爆発域は蓄積(charge)カウンターが1個置かれた状態で戦場に出る。
(T):(◇)を加える。
(X)(X),(T):爆発域の上に蓄積カウンターをX個置く。
(3),(T),爆発域を生け贄に捧げる:点数で見たマナ・コストが爆発域の上に置かれた蓄積カウンターの数に等しく、土地でない各パーマネントをそれぞれ破壊する。

引用: 爆発域/Blast Zone – MTG Wiki

いってしまえば《漸増爆弾/Ratchet Bomb》の土地だ。盤面に鑑賞できる土地には,《絡みつく砂丘/Grasping Dunes》が存在するが,《爆発域/Blast Zone》はそれよりも対象範囲が広く,強力だ。

蓄積カウンターが1個置かれた状態で出るのは,利点も欠点もある。トークンや《虚空の杯/Chalice of the Void》などを即座に破壊できない。その代わりに,マナ・コスト1のカードや2以上のカードの対象を早く取ることができる。

プレインズウォーカーを含むパーマネントを対処できる土地は初めてだろう。レガシーでも,MUD,スタックス,土地単,黒単POXやコントロール系デッキに十分採用されうるだろう。

土地やアーティファクトのように,どのデッキにも入れられる強いカードは環境を崩す可能性があるので,このようなカードをよく作ったなと感じた。間違いなく強い。

《出現領域/Emergence Zone》

《出現領域/Emergence Zone》は,1ターンの間,あらゆるカードに瞬速を付与する。

Emergence Zone / 出現領域
土地

(T):(◇)を加える。
(1),(T),出現領域を生け贄に捧げる:このターン、あなたは呪文を、それが瞬速を持つかのように唱えてもよい。

引用: 出現領域/Emergence Zone – MTG Wiki

コンボデッキの可能性を伺わされる。特に,今回は《大いなる創造者、カーン/Karn, the Great Creator》により,アーティファクト系コンボが大幅に強化されるので,アーティファクトやエンチャントなどの置物とのコンボがでてきそうで面白そうなカードだ。

プレインズウォーカー

今回のカードセットはプレインズウォーカーがテーマということで,興味深いプレインズウォーカーが多数収録されている。

《大いなる創造者、カーン/Karn, the Great Creator》

その中で一番強力だと感じたのが,《大いなる創造者、カーン/Karn, the Great Creator》だ。

Karn, the Great Creator / 大いなる創造者、カーン (4)
伝説のプレインズウォーカー — カーン(Karn)

対戦相手がコントロールしているアーティファクトの起動型能力は起動できない。
[+1]:クリーチャーでないアーティファクト最大1つを対象とする。あなたの次のターンまで、それはパワーとタフネスがそれぞれそれの点数で見たマナ・コストに等しいアーティファクト・クリーチャーになる。
[-2]:あなたは、ゲームの外部か追放領域にありあなたがオーナーであるアーティファクト・カード1枚を選び、そのカードを公開してあなたの手札に加えてもよい。
5

引用: 大いなる創造者、カーン/Karn, the Great Creator – MTG Wiki

ゲーム外からアーティファクトをサーチできるので,いわゆる願いサイクルの亜種と思ってよいだろう。相手だけの《無のロッド/Null Rod》ももちろん強力だが,-2効果の前ではおまけだろう。

白の願いの《黄金の願い/Golden Wish》は5マナと重すぎたため,トーナメントでは活躍できなかった。しかし,この新カーンはエターナル環境を変える可能性を感じる。

効果が実質的に,「次のターンにあなたはゲームに勝利する」と書かれているようなものだからだ。アーティファクトだけでコンボが成立する《丸砥石/Grindstone》+《絵描きの召使い/Painter's Servant》が《大いなる創造者、カーン/Karn, the Great Creator》だけで揃えることが可能になる。

従来の丸砥石コンボは,コンボパーツのサーチに課題があった。赤型であれば《帝国の徴募兵/Imperial Recruiter》で《絵描きの召使い/Painter's Servant》を,青型であれば《粗石の魔道士/Trinket Mage》で《丸砥石/Grindstone》を,白型であれば《悟りの教示者/Enlightened Tutor》でサーチしていた。逆にいえば,それくらいしかコンボパーツのサーチ手段が存在しなかった

《大いなる創造者、カーン/Karn, the Great Creator》が登場したことでサーチ手段が強化され,コンボ成立の可能性が高まる。2マナランドや《厳かなモノリス/Grim Monolith》を経由して,2-3ターン目に展開できれば,3-5ターン目のコンボ成立は手堅い

もちろん,丸砥石コンボだけでなく,《Helm of Obedience》と《虚空の力線/Leyline of the Void》/《安らかなる眠り/Rest in Peace》を使ったヘルムヴォイド/ヘルムピースの成立もサポートされる。丸砥石とヘルムコンボを両方使うのもありだ。

ここしばらく大きな活躍のなかった丸砥石コンボやヘルムコンボがトーナメントで復活するかもしれない。それに合わせてこれらのコンボパーツの値段も高騰する可能性を感じる。早めにカードを集めたほうがいいだろう。

《太陽の義士、ファートリ/Huatli, the Sun's Heart》

Huatli, the Sun's Heart / 太陽の義士、ファートリ (2)(緑/白)
伝説のプレインズウォーカー — ファートリ(Huatli)

あなたがコントロールしている各クリーチャーはそれぞれ、パワーではなくタフネスに等しい点数の戦闘ダメージを割り振る。
[-3]:あなたは、あなたがコントロールしているクリーチャーの中で最大のタフネスに等しい点数のライフを得る。
7

引用: 太陽の義士、ファートリ/Huatli, the Sun's Heart – MTG Wiki

これはトリッキーなカードだ。ループジャンクションとのコンボが強力だ。ループジャンクションで無限タフネスとなるので,このカードがあれば,そのまま無限ライフを取得でき,そのまま無限ダメージを与えることができる。

無限ライフだけではゲームに勝利できないことがそれなりにある。その欠点を補うことができるので,面白いカードだ。

ただし,ループジャンクションは3枚コンボのため,コンボ成立のハードルがやや高い。そして,プレインズウォーカーのサーチは《ゲートウォッチ招致/Call the Gatewatch》くらいしか軽いカードがなく,これまたなかなか課題はある。

《黒き剣のギデオン/Gideon Blackblade》

灯争大戦で新しいギデオンが2種類登場した。そのうち,こちらのギデオンは単純に軽くて強い。

Gideon Blackblade / 黒き剣のギデオン (1)(白)(白)
伝説のプレインズウォーカー — ギデオン(Gideon)

あなたのターンであるかぎり、黒き剣のギデオンは破壊不能を持つ4/4の人間(Human)・兵士(Soldier)クリーチャーになる。これはプレインズウォーカーでもある。
あなたのターン中に黒き剣のギデオンに与えられるダメージをすべて軽減する。
[+1]:あなたがコントロールしている他のクリーチャー最大1体を対象とする。ターン終了時まで、それは警戒か絆魂か破壊不能のうち、あなたが選んだ1つを得る。
[-6]:土地でないパーマネント1つを対象とし、それを追放する。
4

引用: 黒き剣のギデオン/Gideon Blackblade – MTG Wiki

3マナ4/4 破壊不能相当で,居残ると-6の効果でアドバンテージをとれる。+1効果で破壊不能を自軍に付与できるので,《神の怒り/Wrath of God》と相性がいい。

自分のターンに自動的にクリーチャー化するので,《剣を鍬に/Swords to Plowshares》には注意が必要だろう。

《ゼンディカーの同盟者、ギデオン/Gideon, Ally of Zendikar》のほうが使いやすいかもしれないが,軽いのでこのカードも十分強い。

その他,自分のメインカラーである白のカードで気になるカードをレビューする。

《奉謝の亡霊/Grateful Apparition》

Grateful Apparition / 奉謝の亡霊 (1)(白)
クリーチャー — スピリット(Spirit)

飛行
奉謝の亡霊がプレイヤー1人かプレインズウォーカー1体に戦闘ダメージを与えるたび、増殖を行う。(望む数のパーマネントやプレイヤーを選び、その後すでにそこにあるカウンター1種類につき、そのカウンターをもう1個与える。)
1/1

引用: 奉謝の亡霊/Grateful Apparition – MTG Wiki

2マナ1/1 飛行でプレイヤーに戦闘ダメージが入ると増殖が行える。単純に,プレインズウォーカーの忠誠度カウンターを増やしてもいいし,その他の+1/+1カウンターを増加させてもいい。2マナで回避能力持ちだと,無視できないだろう。《黒き剣のギデオン/Gideon Blackblade》など,3マナプレインズウォーカーと相性がいい。

レガシーで通用するかどうかは微妙だが,スタンダードでは《黒き剣のギデオン/Gideon Blackblade》と一緒に活躍しそうだ。

《高名な弁護士、トミク/Tomik, Distinguished Advokist》

Tomik, Distinguished Advokist / 高名な弁護士、トミク (白)(白)
伝説のクリーチャー — 人間(Human) アドバイザー(Advisor)

飛行
戦場にある土地と墓地にある土地カードは、対戦相手がコントロールしている呪文や能力の対象にならない。
対戦相手は墓地から土地カードをプレイできない。
2/3

引用: 高名な弁護士、トミク/Tomik, Distinguished Advokist – MTG Wiki

強力な土地対策カードだ。土地単やロームを露骨に意識したようなカードだ。タフネスが3のおかげで,《護衛募集員/Recruiter of the Guard》でサーチできない代わりに,《罰する火/Punishing Fire》1回では除去されない。サイズ的に《セラの報復者/Serra Avenger》の立ち位置がやや怪しくなってきた。

ただ,単体のカードパワーがイマイチなので,メタゲーム次第だろうか。

《栄光の終焉/Finale of Glory》

Finale of Glory / 栄光の終焉 (X)(白)(白)
ソーサリー

警戒を持つ白の2/2の兵士(Soldier)クリーチャー・トークンをX体生成する。Xが10以上であるなら、飛行と警戒を持つ白の4/4の天使(Angel)クリーチャー・トークンもX体生成する。

引用: 栄光の終焉/Finale of Glory – MTG Wiki

トークン生成カードとしては,かなり高いパフォーマンスを誇る。《十字軍/Crusade》などでの強化を前提とするならば,《荒野の確保/Secure the Wastes》の方が効率がいいが,こちらも悪くない。

しかし,トークン系デッキはゲームを決めるのにやや時間がかかる。《難題の予見者/Thought-Knot Seer》や黒をタッチして手札破壊か,《虚空の杯/Chalice of the Void》,《三なる宝球/Trinisphere》などの妨害要素が必須だろう。

《ギデオンの勝利/Gideon's Triumph》

Gideon's Triumph / ギデオンの勝利 (1)(白)
インスタント

対戦相手1人を対象とする。そのプレイヤーはこのターンに攻撃したかブロックしたクリーチャー1体を生け贄に捧げる。あなたがギデオン(Gideon)・プレインズウォーカーをコントロールしているなら、代わりにそのプレイヤーは該当するクリーチャー2体を生け贄に捧げる。

引用: ギデオンの勝利/Gideon's Triumph – MTG Wiki

「攻撃したかブロックした」という記述が若干気になる。おそらく攻撃クリーチャー指定ステップかブロッククリーチャー指定ステップにキャスト可能だと解釈する。

《真の名の宿敵/True-Name Nemesis》や《大祖始/Progenitus》類の対策として使われていた《天界のほとばしり/Celestial Flare》の上位互換だろう。もちろんギデオンと組み合わせると強力だが,単体でも悪くない。

結論

灯争大戦で気になるカードをレビューした。

特に,《爆発域/Blast Zone》と《大いなる創造者、カーン/Karn, the Great Creator》が強力だと感じた。《大いなる創造者、カーン/Karn, the Great Creator》に関しては,レガシー環境のメタゲームを動かす可能性を感じる。

《爆発域/Blast Zone》は1枚以上,《大いなる創造者、カーン/Karn, the Great Creator》は3枚以上購入するだろう。今のところ,両方共最安値が800円程度だ。自分の予想では,《爆発域/Blast Zone》は500円程度,《大いなる創造者、カーン/Karn, the Great Creator》は1500円程度に落ち着くのではないかと予想している。

《大いなる創造者、カーン/Karn, the Great Creator》は,少なくともスタンダードでは出番がなく,モダンでも微妙ではないかとみている。やはりこのカードの活躍場所はレガシーだろう。

今後の価格動向を見守る。

ネメシス対策と気になったカード(迷宮の霊魂、オレスコスの王、ヘリオッドの槍)

修論前の現実逃避。

==通称ネメシス
——————————————————–
真の名の宿敵/True-Name Nemesis  (1)(青)(青)
クリーチャー ― マーフォーク(Merfolk)・ならず者(Rogue) C13, レア

真の名の宿敵が戦場に出るに際し、プレイヤーを1人選ぶ。

真の名の宿敵はプロテクション(選ばれたプレイヤー)を持つ。(このクリーチャーは選ばれたプレイヤーがコントロールするあらゆるものによって、ブロックされず、対象にならず。
——————————————————–

があまりにも強すぎると思うのだが、大丈夫か?
止められない、触れない、地上鉄壁の壁。どうしろと?しかもマーフォーク。もっとマイナー部族にしておけば良かったのに。ドワーフとか(笑)。

現実的な問題としては白単では以下の3通りの解決方法しかないのでは?
* 回避能力(空・プロテクション・シャドー)でプレイヤーを叩く
* 全体除去・非対象除去
* 軽減・回復・攻撃禁止・死なない(罠の橋・弱者の石・独房監禁・円・崇拝)

サイドの構成を練り直す必要があるかも。

==白単のサイド候補==
参考元:Shimpeisさん http://springfield.diarynote.jp/201312072334014682/
天界のほとばしり: ネメシス・でかぶつ
萎れ葉のしもべ:リリアナ、強化
漸増爆弾:ネメシス・未練のトークン
どれも目からうろこ。爆弾がウィニーに入るのはありかも。

==最近の気になったカード==

* オレスコスの王、プリマーズ:1WW 3/4 警戒 攻守時に猫トークン
猫!刃砦の英雄に似ている。軽くて硬い。良いカード。タフネス4は安心。タルモ・聖遺クラスまで耐えられるかな。萎れ葉の騎兵(トリプルシンボル)よりマナ拘束が軽いのも嬉しい。

* 迷宮の霊魂:1W 3/1 2枚以上カードを引けない
いろいろ話題のカード。サリアよりも活躍の場が広いかも。打点3も◎。ジェイスのアドを単体・先置きでデメリット無しに止めれるのが偉い。プレイ時間的にも鬱陶しいブレスト・思案を封じれるのも良い。森の知恵も止めれるのがかなりイイ。母とこいつでナカティルの攻撃を牽制できる。

* 万神殿の兵士:W 2/1 プロテクション多色
P多色は出番が難しいかも。

* ヘリオッドの槍:1WW 栄光の頌歌+罰?
勝ってる時も強い。負けている時も耐えれる。かなりすごいカードだと思う。白単トークンの有力カード。普通のウィニーに入れてもいけるかも。エルズペスを軸としたPW系のコントロールでも活躍しそう。ミシュラ土地や破棄者も強化されるのが強すぎる。
清浄の名誉は勝っている時に強いタイプだけど、これは別。マナがかかるのがネックだが、後半になればこれで半ば完封では?お守り代わりに2枚ほど仕込んでも面白いね。

* 権威の行動:1WW ETBでアーティファクトかエンチャントをリムーブ
うまくいけば2つ除去できてアドが取れる。ちらつき鬼火などのブリンクの相性も◎。

* 予期せぬ不在: XWW 土地以外の時間の泉
存在の破棄とか失脚とかと組み合わせてテンポ系デッキとかね。この手のカードは相手のドローを1回止めているぶんアドをとれていると思う。あまり実感ないけどね。

* 放逐する僧侶:1WW 2/2 悪鬼の狩人
こういう子は大事。ただし、相手のインスタント除去が怖い。

* 威圧する君主:1W 2/1 相手生物タップイン
高速系ビートだとこういうのは嬉しい。1ターン分攻撃回数が増えるから。

エンチャントのコスト軽減カードがあったような気がしたけどなんだっけ?

以下のカードは買う価値が高い。
# 迷宮の霊魂:1W 3/1 2枚以上カードを引けない
# オレスコスの王、プリマーズ:1WW 3/4 警戒 攻守時に猫トークン
# ヘリオッドの槍:1WW 栄光の頌歌+罰?

2月か3月久しぶりに大会に出て遊ぶのもいいかもしれない。