評価: ストリクスヘイヴン:魔法学院 | 巷で噂の塩セットは白を強化?

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[評価] ストリクスヘイブン | 巷で噂の塩セットは白を強化?

概要

2021-04-23 Fri発売のカードセットの「ストリクスヘイヴン:魔法学院」の全カードリストが公開されたのでレビューする。

ストリクスヘイブンは魔法学院を部隊にしたカードセットで,特に「履修」と「講義」の新しいメカニズムに注目している。

履修はゲーム外部から講義カードをサーチするか,ルーター効果を選べる能力だ。単純に「願い」サイクルと同じく,アドバンテージを失わずに,その場にあったカードをサーチできるのは柔軟で強い。その分,講義カードのカードパワーが調整されているが,それでも検討する価値はあると感じる。

巷では最近のカードセットと比べると,特段強力な目玉カードが少なく,塩セットと噂されている。ただ,白使いとしては,今までになかった種類のカードや,素直に使い勝手のいいカードが多く,白に限れば悪くないカードセットに感じた。

白のエターナル構築 (レガシー,ヴィンテージ) 視点で,気になる以下のカードをレビューする。

通常カード

  • 《精鋭呪文縛り/Elite Spellbinder》
  • 《学生の代言者、マビンダ/Mavinda, Students’ Advocate》
  • 《星霜の巡礼者/Pilgrim of the Ages》
  • 《厳しい試験官/Strict Proctor》
  • 《狡猾な相棒、ミラ/Mila, Crafty Companion》
  • 《秩序の学部長、オーガスタ/Augusta, Dean of Order》
  • 《光輝の学部長、シャイル/Shaile, Dean of Radiance》
  • 《微風のブーツ/Zephyr Boots》

履修

  • 《導きの声/Guiding Voice》
  • 《象徴学の教授/Professor of Symbology》
  • 《戦闘講習/Sparring Regimen》
  • 《休憩時間/Study Break》
  • 《エクスタスの隆盛/Rise of Extus》

講義

  • 《謹慎補講/Academic Probation》
  • 《記憶留出法/Reduce to Memory》
  • 《スピリット召喚学/Spirit Summoning》
  • 《環境科学/Environmental Sciences》
  • 《拡張解剖学/Expanded Anatomy》
  • 《殲滅学入門/Introduction to Annihilation》
  • 《予言学入門/Introduction to Prophecy》
  • 《マスコット展示会/Mascot Exhibition》

評価

通常カード

  • 《精鋭呪文縛り/Elite Spellbinder》
  • 《学生の代言者、マビンダ/Mavinda, Students’ Advocate》
  • 《星霜の巡礼者/Pilgrim of the Ages》
  • 《厳しい試験官/Strict Proctor》
  • 《狡猾な相棒、ミラ/Mila, Crafty Companion》
  • 《秩序の学部長、オーガスタ/Augusta, Dean of Order》
  • 《光輝の学部長、シャイル/Shaile, Dean of Radiance》
  • 《微風のブーツ/Zephyr Boots》

《精鋭呪文縛り/Elite Spellbinder》

3マナ3/1飛行でETBで擬似的な手札破壊をできる。白で相手の手札に干渉できるカードは,《外科的摘出/Surgical Extraction》,《魔術遠眼鏡/Sorcerous Spyglass》,《難題の予見者/Thought-Knot Seer》くらいしかなく,純粋な白のカードとしてへこれは初だろう。

2マナ追加で払えば,結局キャスト可能になるので,手札破壊能力はややいまいちだが,初動の瞬殺を防げるので悪くない。《古えの墳墓/Ancient Tomb》+《魂の洞窟/Cavern of Souls》で2ターン目に打ち消し不可能でキャストできるのは,《難題の予見者/Thought-Knot Seer》と大きく違うところだろう。

個人的には確実に追放できる分《難題の予見者/Thought-Knot Seer》のほうが強いと思うが,悪くないと思った。《難題の予見者/Thought-Knot Seer》を採用しないDeath & Taxesなどではエースとなりえるだろう。

《学生の代言者、マビンダ/Mavinda, Students’ Advocate》

3マナ2/3飛行で,インスタント・ソーサリーを1ターンに一度キャスト可能にする。ただし,自軍以外を対象にする場合8マナ追加で必要にある。8マナも普通は払えないので,ほぼ自軍専用となるだろう。

自軍を対象にするという条件があるものの,《炎の中の過去/Past in Flames》系の呪文の再利用カードは白に今までなかったところが画期的に感じる。

問題はこのカードをうまく活用させるには,キャントリップ持ちで自軍を対象にするインスタント・ソーサリーを多く採用する必要があり,バランスが難しい。エターナルレベルで検討するのは頭をひねる必要があるものの,可能性を感じるカードだ。

《星霜の巡礼者/Pilgrim of the Ages》

3マナ2/1でETBで平地をサーチできる。特に珍しいのは6マナで墓地から手札に回収できるところだ。《巡礼者の目/Pilgrim’s Eye》に《永遠のドラゴン/Eternal Dragon》の回収能力がついたような印象を持っている。

マナを確保できて,終盤のマナフラッド対策にもなるので,素直に悪くないカードに思った。エメリアコントロールで可能性があるかもしれない。

《厳しい試験官/Strict Proctor》

2マナ1/3飛行でパーマネントのETB能力限定で2マナの不確定カウンターを持つ。

エルドレインの王権の《静寂をもたらすもの/Hushbringer》や《トカートリの儀仗兵/Tocatli Honor Guard》,《倦怠の宝珠/Torpor Orb》に似ている。

ただ,2マナ払わないときだけ,打ち消すというところがポイントだろう。状況によって,自分のパーマネントで打ち消したい場合と打ち消したくない場合を分けられるところが今までにない画期的なところだ。

先日最近のメタゲームが気になって調べたところ,Death & Taxesに《ファイレクシアン・ドレッドノート/Phyrexian Dreadnought》を採用したデッキを見かけた。

その発想はなかったので,目から鱗だった。

《狡猾な相棒、ミラ/Mila, Crafty Companion》

《トレストの使者、レオヴォルド/Leovold, Emissary of Trest》や《アカデミーの事務局長レイン/Rayne, Academy Chancellor》に似たカードだ。

白だと《霊体の正義/Karmic Justice》が一番近いと思う。

相手からの攻撃に対して,プレインズウォーカーを擬似的に守れるというのも悪くない。

ただ,受け身なカードで,少々使いにくいかもしれない。

《秩序の学部長、オーガスタ/Augusta, Dean of Order》

3マナ1/3でタップ状態の自軍を+1/+0,アンタップ状態の自軍を+0/+1し,攻撃時に自軍を全アンタップ・タップできるクリーチャーだ。

《ベナリアの軍司令/Benalish Marshal》に非常によく似たカードで,《栄光の頌歌/Glorious Anthem》持ちクリーチャーとみなして差し支えないだろう。

クリーチャーで《栄光の頌歌/Glorious Anthem》を内蔵しているのはさすがに強い。

伝説なので重ね張りできないが,ヒロシさんのクレリックデッキなどで《熟練の薬剤師/Master Apothecary》などと組み合わせると地上を完封できそうで強そうに思う。

クレリックの部族に強力なクリーチャーが集まってきているので,クレリックデッキはありに感じる。

《光輝の学部長、シャイル/Shaile, Dean of Radiance》

2マナ1/1飛行,警戒で,タップでこのターンETBしたクリーチャーに+1/+1カウンターを置ける。

またしてもクレリックだ。《サリアの副官/Thalia’s Lieutenant》に近いカードに感じる。先置きできないとあまり強くないが,最低飛行持ちで,2マナの疑似ロードとして悪くなく感じた。

《微風のブーツ/Zephyr Boots》

1マナ装備品で,2マナ装備で飛行とサボタージュ能力を付与する。

過去にDeath & Taxesで《記憶の仮面/Mask of Memory》を採用したことがある。それを思い浮かべたが,アドバンテージを取れるわけではないので,少々微妙に感じた。白は手札の入れ替えが難しいので,可能性は感じたのだが…

履修

白の履修カードをレビューする。

  • 《導きの声/Guiding Voice》
  • 《象徴学の教授/Professor of Symbology》
  • 《戦闘講習/Sparring Regimen》
  • 《休憩時間/Study Break》
  • 《エクスタスの隆盛/Rise of Extus》

まず,サーチカード全般にいえることだが,サーチしている分余計にマナ・ターンを浪費する点には注意が必要となる。特に,エターナルでは1ターンの差が勝敗を分けるので,序盤のサーチは1ターン何もしないに等しいので注意する。

《導きの声/Guiding Voice》

1マナ最軽量の履修カードとなる。+1/+1カウンターを配置する。

能力自体は些細なものだが,その場にあった講義カードをサーチできるので,悪くないと感じる。

ただし,クリーチャーがいないとキャストできない点はやや使いにくいかもしれない。

《象徴学の教授/Professor of Symbology》

2マナ2/1で履修持ちのクリーチャーだ。白のウィニーとして最低スペックを持っており,白のもっとも基本的な履修カードになるだろう。

単純にここから《スピリット召喚学/Spirit Summoning》で頭数を増やしてもいい。

白使いとして是非押さえておきたい1枚となるだろう。

《戦闘講習/Sparring Regimen》

3マナエンチャントで,攻撃時に1体に+1/+1カウンターをおける。《栄光の頌歌/Glorious Anthem》に近いカードに感じた。

強化に条件が必要だが,ETBの履修で《スピリット召喚学/Spirit Summoning》をサーチできるので,相互補完はできている。ただ,2ターンかけてその動きは少々弱いかもしれない。

《栄光の頌歌/Glorious Anthem》でキャントリップがあると思えば,強いのだが…

《休憩時間/Study Break》

2マナインスタントで,最大2体のクリーチャーをタップする。最大2体ということで,何もなくてもキャストできるので,まさに願いで《狡猾な願い/Cunning Wish》に近いだろう。

その分,効果はリミテッド向けとなっている。履修カードは数が少ないので,こういうのも貴重に感じる。

《エクスタスの隆盛/Rise of Extus》

6マナのソーサリーで,クリーチャー除去と墓地のインスタント・ソーサリーの追放除去となる。

クリーチャー除去で履修持ちということで,1:2交換ができる強力なカードだが,その分コストも重い。

6マナは少々重すぎるので,なかなか難しく感じた。

講義

白で使用可能な講義カードは以下となる。

  • 《謹慎補講/Academic Probation》
  • 《記憶留出法/Reduce to Memory》
  • 《スピリット召喚学/Spirit Summoning》
  • 《環境科学/Environmental Sciences》
  • 《拡張解剖学/Expanded Anatomy》
  • 《殲滅学入門/Introduction to Annihilation》
  • 《予言学入門/Introduction to Prophecy》
  • 《マスコット展示会/Mascot Exhibition》

履修からサーチすることを前提にされているので,単体のカードパワーがやや低いことに注意が必要だ。

《謹慎補講/Academic Probation》

2マナソーサリーで,次の自ターンまで,指定1枚のキャスト,先頭,起動型能力を封じ込める。

《沈黙/Silence》,《オアリムの詠唱/Orim’s Chant》などと比べても効果が限定的すぎて少々弱い。白色の講義カードとしては,最軽量なので,呪文のキャストをこなしたい場合や《金属モックス/Chrome Mox》の刻印用になるだろう。

《記憶留出法/Reduce to Memory》

3マナソーサリーで土地以外の《過大な贈り物/Generous Gift》となる。

同じ3マナソーサリーだけならば,白の単体パーマネント除去で最強クラスの《議会の採決/Council’s Judgment》のほうが圧倒的に強い。ただし,講義カードということで,履修からサーチできる汎用除去としてみると,強いと感じた。

履修のサーチ先の第一候補となるだろう。

《スピリット召喚学/Spirit Summoning》

3マナソーサリーで3/2のスピリット・クリーチャー・トークンを生成する。

履修からの貴重なアタッカーのサーチ先となる。3マナ3/2は少々物足りないが,それでも消耗戦ではゲームを決める可能性もあるので侮れない。

《環境科学/Environmental Sciences》

2マナソーサリーで,基本土地をサーチして2点ゲインする。《地勢/Lay of the Land》の講義カードとなる。

序盤のマナ不足を防止し,序盤の安定性を高められるので,無難なカードに感じた。

講義カードとしては最軽量クラスなので,《記憶留出法/Reduce to Memory》の次点,履修からのサーチの第ニ候補あたりになると感じる。

《拡張解剖学/Expanded Anatomy》

3マナソーサリーで+1/+1カウンターを2個おける。

ターン終了時まで警戒も与えるので,頓着状態を打破できて,地味に侮れないカードに感じる。特に,飛行持ちを強化できれば,そのままゲームを決められるかもしれない。

《殲滅学入門/Introduction to Annihilation》

5マナソーサリーで,土地でないパーマネントを追放して,1ドローさせる。

白であれば,《記憶留出法/Reduce to Memory》が軽いが,白以外では汎用除去としてこちらを採用するしかないだろう。

《予言学入門/Introduction to Prophecy》

3マナソーサリーで占術2の後に1ドローする。同じく3マナの《空民の助言/Counsel of the Soratami》と比べると,アドバンテージを取れず物足りないし,同じ効果の《定業/Preordain》が1マナであることを考えると明らかに弱く感じる。

カードパワーの高いデッキであれば,このカードでさらにサーチしにいったたほうがいいかもしれないが,他の《環境科学/Environmental Sciences》や《拡張解剖学/Expanded Anatomy》などを直接使ったほうが手っ取り早く感じる。

《マスコット展示会/Mascot Exhibition》

7マナソーサリーで,2/1飛行,3/2,4/4トークンを1体ずつ生成する。合計打点は9点であり,ゲームを決められる。

7マナと少々重いが,講義のフィニッシャーとして,悪くないと感じた。

結論

ストリクスヘイブンを評価した。巷で塩セットと噂されていたが,白視点では今までなかった興味深いカードがいくつもあった。

また,実質《栄光の頌歌/Glorious Anthem》内蔵カードが2枚もあり,確実にカードパワーの水準は上がってきていると感じた。

今回は以下のカードの購入を検討したい。

  • 《精鋭呪文縛り/Elite Spellbinder》
  • 《象徴学の教授/Professor of Symbology》
  • 《記憶留出法/Reduce to Memory》

結局いろいろ評価してみたが,塩セットとというは一理あるかもしれない。というのも,エターナルはカードパワーが高いので,ここで通用するというレベルだと少々難しい。

《精鋭呪文縛り/Elite Spellbinder》は《難題の予見者/Thought-Knot Seer》のほうがやはり強い。両方採用するというのはありだが…

肝心の履修も遅さがネックになるように感じる。リミテッドや通常構築であれば十分活躍できそうなのだが少々難しい。

今後の活躍を期待したい。

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